これまでのあらすじと登場人物紹介
予定より遅れること半年( ̄∀ ̄;)、ようやく始めることができました。
これまで以上にカメの歩みとなりそうですが、じりじりと進めていきたい所存です。
どうぞ応援をよろしくお願い致します。
本編は4部予定の長編シリーズの第三部です。以下にこれまでのあらすじは用意しておりますが、よろしければ先に1部,2部をお読みいただければ幸甚です。
++これまでのあらすじ++
戦国時代初期。雨宮家の隠し里、黒髪村に住む素破の少年於仁丸には篝という美しい恋人があり、これを舐めるように愛おしんでいた。
主家雨宮家では娘の鴇姫の婚礼が決まった。相手は隣国領主天津幸政の弟幸隆である。
天津家に争乱の兆しを見た鴇姫の父知徳は、娘に従者として下人戌郎をつける。
婚儀の前に戌郎と共に黒髪村を訪れた鴇姫は篝と於仁丸に会い、ふたりに好感を抱くが、間もなく篝は、偶然行き合った天津幸政とその家臣に惨殺されてしまう。
鴇姫の婚礼当夜、篝の毒によって家臣が死に、幸政も死にかけて幸隆に嫌疑がかけられる。
鴇姫は黒髪村衆を頼り、村衆は篝を殺した者を知る。そして於仁丸も。
於仁丸は復讐を誓い、村を出奔する。(壱/於仁丸出奔)
篝の死と於仁丸の心中を知り、動揺する鴇姫。戌郎は赤犬のギン、そして隼の三郎を鴇姫の身近に配し、姫の気晴らしと安全に心を砕く。
幸政の弟幸隆をも仇と定め、復讐の機会を狙う於仁丸は、これを守ろうとする黒髪村衆を殺し、対立の意志を鮮明にする。
幸隆を厭う天津領主幸政は一方で美しい鴇姫を見初め、これを手に入れようと画策するが於仁丸に阻まれる。この時かけつけた戌郎は、於仁丸により利き腕を落とされる。
先の一件により幸政の拷問を受ける戌郎。己れの無力さを痛感した戌郎は遑を願い出る。鴇姫は、これを優しく許した。
幸政の手に落ちそうになった於仁丸はからくも虎口を脱するが、この直後、謎の一団に襲われ力尽きて崖に飛び込み、行方知れずとなる。(弐/復讐鬼)
++これまでの登場人物++
(年齢は二部開始時のものです)
於仁丸…
本編の主人公。15-6才。篝の恋人。隠し里・黒髪村の糸術の遣い手。
篝とのつきあいから、毒や薬草にも詳しい。
年少者にありがちな生意気な自信家だが、心は優しい。いささか短気。
しかし篝を殺されたことにより、性格が一変。
天津幸政を仇と定め、弟幸隆にも敵意を抱く。(一部/二部)
篝…
於仁丸の恋人。於仁丸の2-3才下。非常に可憐な少女。
閨房での毒殺を目的に毒を以て育てられ、体液に強い毒を持つ。
偶然行きあった天津家当主・幸政とその家臣に陵辱の上惨殺される。
(一部)
戌郎…
鴇姫の下男兼守護者。鴇姫の1-2才上。唖。手話にて会話が可能。
獣や鳥を使役する、声なき声「谺」の遣い手。
幼い頃からつき従ってきた鴇を強く慕っており、鴇からも厚く信頼されている。
黒髪村の一員で、於仁丸とはごく親しい間柄だったが、
これに利き腕を落とされる。(一部/二部)
鴇…
黒髪村の主家・雨宮家の姫。16-7才。天津家の次男・幸隆へ戌郎を伴って嫁ぐ。
美しく優しい。いささか頼りなげなところがあるが芯は強い。
幸隆を強く慕っており、戌郎にも身内のような親愛の情と全幅の信頼を
抱いている。(一部/二部)
天津(佐々)幸隆…
天津家の次男。鴇姫より3-4才上。隻眼跛行の異形だが、聡明英知の人。
物語の初期に天津家外戚、佐々家の名跡を継いで兄幸政の家臣となる。(一部/二部)
佐々兼嗣…
幸隆の義父。天津の先代に仕えた老臣。
穏やかな人柄で、兄幸政との間に軋轢のある幸隆を気遣っていたが、
泉下の人となった。(一部/二部)
生田真信…
兼嗣の扈従。幸隆の2-3才下。
兼嗣が鬼籍に入ってからは、幸隆に仕えている。
見目は涼しく、聡明実直な人柄で、佐々家の面々に信頼されている。(二部)
島田一正・一臣…
天津家の旧臣。親子。父一正は兼嗣の友人で、親子共に幸隆を気遣っている。
(一部/二部)
雨宮知徳…
雨宮領主。鴇の父。剛胆にして知略の人。(一部)
天津幸政…
天津家の嫡男・当主。好色で残忍。幸隆を疎んじている。(一部/二部)
※黒髪村衆…
山中深く、平生は百姓として暮らしている雨宮家の素破衆。
他の人々と関わりを持たぬ暮らしゆえ血が濃く、不具者も多く生まれる模様。
古くから雨宮家に仕えているようだが、
どういった経緯で雨宮家と関わりを持ったかは不明。
※村上家…
天津領の元々の領主。古くはこの地方の守護だった。
天津に領袖忠興を討たれ、因州へと敗退した。
※久間田勝重…
天津の隣国領主。村上氏の縁者であり、天津に遺恨を抱いている。