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花びらの行方

作者: 檸檬
掲載日:2025/11/29

あの風の強さは私にとっては性急で切実なものだったけれど


あのひとの花を散らしてしまったことに少し驚いていた


涙まじりに散る花びらが


落ちてゆくのをみていた


心の真中に貼り付いたまま


揺らめきながら体温が染み入る


あのひとの涙が落ちるのをきいていた


壊れたまま ありのままに 


空っぽの身体は


あのひとの涙でいっぱいになって


瞼からも溢れてきた


背中を丸めてあなたのため息が散らす花びらを生ける為の小さな池をつくる


花びらひとつひとつに色んな想いがあったのだろうから


あなたの優しさ 人懐っこさ お人好しさ 甘さ


素直さ ゆめ 希望


反面に痛々しい現実との亀裂


そして自分の心の亀裂の深さに溺れて


こんなにも泳げなくなっていることに驚く


海を馬が駆けてゆく


丸めた背中のライン外まで溢れてゆく塩水


アウトライン一体は海のような気がした


鮮やかさを保ったままのやっかいな光に滲む花びらは


心の真中に貼り付いたまま


消せなかった 



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