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エピローグ

 コロニーについてから四日目の朝。

 魔力が回復したのでソルセルリー王国へと帰還する。

 ラウラが惑星ロシュまで送ってくれるとのことで、ミミ・ブランがコロニーから出るための準備をしている。最初は送ってもらうのは悪いと断っていたが、仕事をするのでどちらにせよコロニーを出ると言うのでお願いすることにした。

 デバイスに送られてくる映像を見ながら、ミミが今の状況を解説してくれる。

 ゆっくりとコロニー内を移動したミミ・ブランは、部屋というには巨大すぎる空間に入っていく。


「これより周囲の空気が抜かれます」


 空気が抜き終わたとAR表示が出た後、正面の扉がゆっくりと開いていく。

 扉の先には宇宙が見える。

 扉が完全に開くと、発進許可がARで表示された。


「微速前進いたします」


 ゆっくりとミミ・ブランが動き始める。

 ミミ・ブランがコロニーの中から出ると、コロニーから離れるように上昇し始める。

 ミミ・ブランから見るコロニーの周辺には多くの標識があって、最初に見た時とは印象が全然違う。コロニーは最後まで楽しませてくれる。

 ミミ・ブランはコロニーを離れるとメインの推進器を稼働させて速度を上げた。


「惑星ロシュまで一時間を予定しております」


 早いな。

 前回の時間を測っていないが俺の宇宙船より数倍は早そうだ。

 コロニー周辺から離れるとラウラが声をかけてきた。


「本当に助かった。カイが居なければ、こんなに早く帰って来れなかった」

「こちらこそ色々案内してくれて助かったよ」


 コロニーでの体験は俺の悩みを忘れるくらいに刺激的だった。

 もっと世界を。いや、宇宙を見てみたい。そう考えを変えるくらいにコロニーで刺激をもらった。

 実際、俺の銀河間移転魔法を使えば別の銀河に行くこともできるだろう。広大な宇宙には見たこともない光景が広がっているのだとコロニーに来て理解した。

 日本かソルセルリー王国どちらで生きていくか迷っていたが、視野が狭くなっていたのだと感じてしまう。地球でも世界を旅することで視野が広がると言ったりするが、こんな感覚なのだろうか。

 ミミ・ブランから送られてくる映像の宇宙を見ながら、あの光り輝く星には何があるのだろうと考え胸が弾む。


「もっと宇宙を見てみたいな」

「アンドロメダ銀河の案内ならできるぞ」

「それはいいな。コロニーだけではなく、色々見て回りたい」

「他の惑星に行くのも、私とミミ・ブランに任せてほしい。代わりといっては何なのだが、食事の改善を手伝ってもらえると嬉しい」

「もちろん手伝う」


 宇宙船の速度を考えれば非常に助かる提案だ。

 長期間一緒に行動するとなると、持ち込むにも限界はある。早めに食事は改善しておきたい。


 今後の目標は定まった。


「俺の目標は宇宙を見て回る」

「私は食事の改善だ」

「リシューはおおきくなる!」


 話に加わってきたリシューに笑顔になる。

 確かに大きくなるのは重要だ。妖精の知り合いに色々聞いておかないとな。


「三人それぞれ目標を達成しよう」

「ああ」

「うん!」




 地球に一度帰還した移転者は、魔法を使い宇宙をめぐる。

本作をお読みいただきありがとうございました。

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