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世界一怖くない話

作者: 桜雪風月

 「おはこんにちは。」


 聞きなれない挨拶だとは思いますが、知っている方もいるでしょう。これから怖い話をするので少しは気が楽になっていただければ幸いです。普段、真面目過ぎるほど真面目な私の怖い話をお聞きくだされば幸いです。


 あれ、緊張していますか。大丈夫です。これからする話は、とてもみじかくて、世界一怖くな怖い話とも言えるんですよ。話してしまうと、短すぎて退屈を通り過ぎて、つまらないと思ってしまうと思うので、私の事をお話しさせてください。それでは、皆様ご清聴よろしくお願いいたします。




 冒頭に述べたとおりに、普段堅真面目な私ですが、幽霊やなんかは信じているんですよ。私の体格は体重100キロを超える、デブマッチョであります。これくらいの体格になると、生身の人間においては、喧嘩を売られるなんてことも、めったにありません。しかし、こう見えて、怖がりだし、いたいのも嫌いだし。とても繊細な性格なんですよ。


 年に一回あるかないかの感じで、感動に打ちひしがれる、武者震いがする、なんて感じで急に、体と感情が震えるなんてことがあります。




 生来の怖がりの私には、もちろん対策を考えたことがあります。怖がりの私に、幽霊やお化けといった対処法を知らないのは、とても怖いことなんですよ。そこで、最初に考えたのは憑代というものでした。依り代とも書くかな。


 簡単に言えば、自分の身代わりを用意するというものです。こういう怖いお話が好きな人は知っているかと思いますが、知らない人の為に説明すますね。自分の身代わりといっても簡単なんですよ。自分と同じ大きさのマネキンを用意するとか、そんなに大掛かりでお金もかかりません。


 むしろ、100円ショップで用意できるかもしれません。興味があれば是非ためしてみてくださいね。シュウジガミや和紙をよういして、人型に切ります。そして、そこに筆を使って何かを描きます。今ならペンでもいいのかな。書く呪文や呪紋は本やネットを調べればいいでしょう。


 ちなみに私は、両方書くことができずに挫折いたしました。だって西洋の魔方陣を想像してみてください。自分の命を守るかもしれないものは、しっかりとしたものを用意したい。しかし、正円を画くのも難しいのに、西洋の複雑なを画くのがどんなに難しいことか。私の好きな魔女の漫画も正円を画くのを練習したり、コツがあるといっていました。後は陰陽師や忍者の漫画でも依り代みたいなのは使われるかもですね。




 その後に、私が眼をつけたのは祝詞でした。みなさんは怖いことがあったら、なんて叫びますか、言いますか。ママ、お母さん、南無阿弥陀仏。とっさに、叫ぶとなるとこんなところがメジャーではないでしょうか。


 けれど、南無阿弥陀仏では、よく知らないけれど、多少知っているからこそ、悪霊を退ける力があるか疑問です。いきなりあって、成仏してくださいといって解決すればこんなに楽なことはありません。


 そこで色々調べていくうちに、自分に合っていると思ったのは今から言う言葉です。


 生麦 大豆 二升 五合 (なまむぎ だいず にしょう ごんごう)


 勘のいいガキは嫌いだよ。いえ、ごめんなさい、気にしないでください。それでも勘のいい方はお気づきしれません。私も詳しくないんですけどね、南無阿弥陀仏を提唱した人にもライバルがいたそうなんですよ。その人の提唱した言葉があります。


 南無大使遍照金剛


 なにか似ていませんか。南無が共通のところとかね。MMOとかをしていると、死んでいる人に南無とかいったりしますしね。ということで、言葉が似ていれば、その効果も似るとは思いませんか。なので一定の説得力はあるわけです。




 話は変わって、私の霊体験らしきものを一つ語ります。らしきものというのは、証明できないからです。お話なんて、たいていそんなものなので気軽に聞いてください。そして、信じてもいいし、信じなくてもかまいません。


 あれは何気ない日常でした。しかし、西暦でいえば2000年を過ぎていました。皆さんは、幽霊に寿命があるって聞いたことありませんか。簡単な根拠でいえば、原始人の幽霊は想像しにくいでしょ。ということは、寿命があったという考えができます。


 もしも、お侍さんの幽霊がいたとしたら、そうとう強い霊ということが考えられます。あとは有名な神社に祭られているような、そうとう強い恨みを持った者か、神格化したなどが考えられますかね。


 で、ふと道路をみていると、飛脚の恰好をした小鬼がすごいスピードで走っていったんですよ。有名な怪談はいくつもありますが、ジェット婆なんかのたぐいかと思いました。しかし、嫌な感じをまったく感じませんでした。


 走りが速いので、韋駄天で調べてみたんですね。そうしたら、どれかの資料に鬼の一種という答えがでて驚きました。所説ありですが、本物かもしれないと思いました。後は陰陽道で使役する前鬼後鬼のたぐいかとも思いました。


 ちなみに陰陽師が信じられていた時に、幽霊などを見ることができる人は見鬼なんて呼ばれていたらしいですね。自分に霊能力があると自慢する人は、嘘くさいかもしれませんが、よのなかには霊能力があるかないかの検査なんてのもありますよね。


 超能力みたいな類かもしれませんが、目を瞑って家中の窓を開けて閉める想像をして、その途中で何かに出会えば霊能力があるなんていいますね。


 ファンタジー作品には、よく魔眼なんてあります。手も似たようなのがありますね。現実世界で植物を育てるのが上手い人は緑の手なんていいます。手相なんかを信じる人もいるでしょう。では、仏眼というものを知っているでしょうか。


 仏の目とかいで仏眼ですね。これは親指の第一関節の皺が目の形をしているといものです。この人は、幽霊が見えるいわゆる見鬼になります。


 ちなみに、私の母は死んだ身内の人から電話がかかってきたことがあるといっていました。私は怖がりなので、お断りしたいですが、怖くないなら電話をしてきても大丈夫です。




 だいぶん遠回りをしましたけれど、本題を話すことに、いたしましょう。あれは、何気ない一日でした。本当になにげない一日でした。私は家に帰りました。おしまい。


 なにが怖い話だって、最初にいったでしょ、世界一怖くない話だって。ただ一つ、私が奪われたものがあります。それは、記憶といえばいいのかな。


 私は信じる力を信じています。信じる力が強ければ、それは魔法になり呪いにもなると。私は怖いとき、夜道や注射を打つときに唱えていました。


 「生麦大豆二升五合」


 それも何年もです。何年もなんどもなんども使用しているので、忘れるわけがないんです。使えば使うほど、信じれば信じるほど力が強くなると信じて使っていたのです。しかし、何気ない日常の帰り道にそれらを奪われてしまったのです。


 本当に不思議なんですが、どうしても思いだせなくなってしまったんです。ど忘れといわれれば、それでおしまいなんですが、思い出す努力をしてもいっこうに思い出せないんです。何年間も何百回、心で唱えた言葉をです。


 まぁ、そういう言葉があってどうすれば調べられるかは記憶があったので、調べなおして、現在も使用していますが、そのときは本当に思い出すことができなかったのです。


 私の想像ですが、強力な悪霊みたいなものとすれ違って、その代償に私の記憶がなくなったのではないかと思っています。まぁ、その悪霊は死神だったのではないかと思っていますがね。


 ところで、私の両手を見てください、両マスカケの珍しい手相でしょ。勘のいいガキは嫌いだよ。


 よく見てください、皆さんは図形がお得意ですか。ほら両手を近づけるとなにか図形がみえませんか。ちなみに西洋には五望星や六望星なんてありますが、六望星は安定という意味があったかな。五望星は悪魔です。


 五望星をひっくり返すと、山羊の悪魔になります。生贄として有名なのも山羊ですね。上の二つが山羊の角、横の二つが耳、下のやつが髭みたいな感じでしょうか。


 私の手を十字に重ねると五望星になるんですよ。皆さんは、100物語を知っていますか。

100の怖い話をすると本当に幽霊が現れるといものです。


 「スカッ。(手をたたくのを失敗して空を切った音)」


 手を合わせると思いましたか。これはわざと外したのかどうかは、あなた次第。


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