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彼女は  作者: 雨宮零
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君と僕って

「また、一日が始まってしまった」

ーーーはぽつりとそう呟いた。



「三大妖怪」というものをご存知だろうか。人間には理解できない奇妙な現象、それを起こす者のことを「妖怪」と言う。その中でも広く伝承されている「鬼」「天狗」「河童」この三種属を日本三大妖怪と呼ぶそうだ。



「姫様がおいでになられたぞッ!」「姫様ッ」

毎朝これの繰り返し。変わらぬ毎日に嫌気が差してくる中、周りと同じ様に対応する。

「今日のご予定は…」

僕は鴉天狗の一族。そして代々姫の側近になるのが務めである。

仕事についてから一ヶ月が経った時、姫に嫌悪感を抱いていた。姫と呼ばれる彼女は酒呑童子の一族。今の世の王としてあられる方々だが、今代の姫は子供の頃から自由奔放な性格で散々振り回された。あの頃の朱亜は一人の友達だったのに。

(幼馴染だからなぁ、久しぶりだと言っても今更対応を変えるとなると意外に難しいものだ)

⁇?「…ね…羽音‼︎」

「わぁっ、びっくりした‼︎」

朱亜(姫)「これから下町の偵察に行くのになにボーッとしてんの‼︎早く来ないと置いてくぞ!」

羽音「え、あっ、はい、了解致しました…」

突然話しかけられ、僕は呆気にとられた。

(あっ、着いていかなければ。朱亜を守るのが僕の仕事だ。)


朱亜「今日はいい天気だなぁ!こんな日は何かいい事が起こりそうだっ!なぁ羽音‼︎」

羽音「そうですね。今日は本当にいい天気だ。」

彼女の話を適当に流す。いいことなんて起こるはずないのだから。


豈崎ヲェ「どう縺励※、あなたは菴墓腐、縺薙lができ縺ェいの⁈」

驕主悉「ごめ繧薙↑さい、縺頑ッ阪&繧! 谿エら縺ェいで!」


(あぁ、まただ。またこれだ。)

ボヤけた過去はそのまま僕に思い出させてくる。

僕の母は厳しい方だった。代々側近になる僕の一族は贔屓ではなく、各自の努力で側近になっている。僕が三つになる頃には母が既に道を作っている状態だった。小さい時には許された遊びも寺子屋を出る前には全て禁止になった。徹底的な食生活と、毎日10時間の勉強を毎日こなさせられた。

(まぁ、そのおかげで側近にらなれたのだけど)

側近になった今、終わるかと思った生活は更なる高みのためにまだ続いている。

やらなければ殴られる。そんな日々。


彼女の言う「いいこと」が僕に起こることなど恐らくこの先もないのだろう。


よく晴れた日の下彼女の背を見ながら思う。

続けばいいな

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