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最後のとどめはあなたの牙で  作者: くびわつき
頭が先か胴(はら)が先か
4/25

部屋

 ぴちゃり、ぴちゃりと音がする。


 ぼくの腕から流れた血が、ぬるぬるとしながら、ながいながい管を通り、どこかにたまっていってるみたいで、ぴちゃりぴちゃりと音がする。

 くらくて、せまいこの場所に、ぼくはいつもひとり


 いつからここに来たのかはもうわからない。

 いつまでここにいなきゃいけないのかもわからない。


『お母さん』がご飯を持ってきてくれる。

 ふわふわのパンや、美味しいスープ、やわらかいお肉に、みずみずしい果物。そしてたまに蜂蜜菓子も


『お母さん』がぼくのことを褒めてくれる。

 すごいね。すごいね。自慢の子だよと褒めてくれる。

 なぜ褒められるのかわからないけれど、痛くないからいやじゃない。


『お母さん』はぼくと違う

 ぼくは『お母さん』の名前を知らない

 名前も知らない人間だけど『お母さん』とよばないと、その人間はぼくの顔をぶつ

 大きな声を出しながら、どうしてそんなことを言うのと泣いて、すごく怒って強くぶつ

 だけど『お母さん』と呼んで笑ってあげると『お母さん』はぼくをぶたない。


 人間の言葉はよく知らないけれど、『お母さん』は人間の親のことらしい

 ぼくの親はぼくのことをぶたない

 人間の子供はよく知らないけれど、みんなこうしてぶたれるのかな


『お母さん』はぼくのお腹がいたくなると、いたくなくなるまでさすってくれる。

 おなかをくだして部屋を汚してしまった時も『お母さん』が部屋をきれいにしてくれたけど、

 いっぱい心配してくれて、いっぱい優しくしてくれた。


『お母さん』はぼくの腕に針を差す。

 ごめんね、ごめんねといいながら、ほそいほそい針を差す。

 針がとてもほそいから、あまりいたくはないけれど、

 ぼくの腕から流れた血が、ぬるぬるとしながら、ながいながい管を通り、どこかにたまっていってるみたいで、ぴちゃりぴちゃりと音がする。


 ぼくはそのぴちゃり、ぴちゃりという音をきくと、あたまがおかしくなりそうになる


 ぴちゃり、ぴちゃりと音がする。

 ぴちゃり、ぴちゃりと音がする。

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