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だから言ったのに!〜婚約者は予言持ち〜  作者: キムラましゅろう


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32/43

アルジノンは真っ黒?

アルジノンの愛妾疑惑が浮上してからというもの、


ジュリのアルカイックスマイルに


アルジノンは戦々恐々とする日々が続いていた。



〈まさかバレた!?そんなバカな。いやでも野生の勘が鋭いジュリだからな……〉


何故バレたのだろう。


どうしよう。正直に話して土下座でもするか?



でも認めてしまったら()()()に通うのをやめなければならない、かも?



自分の()()()()()()()()()()()()()あの場所へ……。



いやジュリなら許してくれるんじゃないか?



アルジノンは頭を抱えた。


しかしこれはもともとはジュリの負担が減るようにとの配慮だ。



いわば()()()としての責任だ。



〈でもジュリは内緒事が嫌いだからなーでもコソコソやってたのがバレて怒られるのも嫌だなー。最初から()()宣言しときゃ良かったなぁー……〉



アルジノンは深い深~いため息を吐いた。






「タバサ、わたし決めたの」


「何がでございます?」


「今夜、ジノン様を尾行する。そしてどこに通ってるのか確かめるわ」



ジュリのこの爆弾発言に

タバサは仰天した。


「な、何を仰ってるんですか!?そんな身重のお体で尾行なんてっ……もしもの事があったらどうされるんですか!?」



「でも、このままの精神状態が続く方がよっぽど

お腹の子に悪いと思うの。あのヘタレチキンは絶対に白状しないだろうし」



ち、あの○◇◎△△野郎が……


タバサは脳内で十数回アルジノンを殺害した。


「お気持ちはわかりますがこればかりは容認出来ません。誰か他の者を使いましょう」


「でも尾行なんてその筋の者じゃないと難しいのよ?」


「ジュリ様はその筋の者ではございませんでしょう」


「わたしは気配を殺すのが上手いもの」


「…………とにかくおやめください」



タバサにそこまでハッキリと言われたら、ジュリも引き下がるしかなかった。



「あーぁ…、わたしにも暗部を動かせたらなぁ」


いくら王族で王太子妃といえども


王家の秘密機関、暗部を使う事は許されていない。



「誰かいませんかねぇ……信用出来て暗部並みの能力の高い人物……」



タバサがそう言った時、


ジュリの脳裏にあの者の顔が()ぎった。



「いた!いたわタバサ!」


「えぇ?だ、誰です!?」



「ふふふ…どうして今まで思いつかなかったのかしら。暗部並みに、いえ暗部以上に使えるあの男を利用しない手はないわ……」


「ジュリ様……今とても悪い顔をされてますよ……

惚れ直しそうです」


「ふふふ……」






「って!来る早々大歓迎で嬉しー♪とか思ったらそんな事企んでるのっ!?」


例の如く

生まれ来る赤ん坊の誕生が待ちきれず、

毎日オムツやオモチャなど

何かしら持参して遊びに来る

大賢者イグリードが呆れながら言った。



「だって、今のわたしはこんなだから動けないし。でもジノン様が本当に愛妾の所に通ってるのか気になるの。お願いイグリード!助けて!」


「え~……まぁ尾行なんてお茶の子さいさいだけどさ、でもあの王子に限ってそれはないと思うけどなぁ」


「そう?そう思う?」


「でも男は下半身は別のイキモノだって言うしなー☆」


「やっぱり怪しいんじゃない!ねえ一生のお願い!

イグリード!」


「もーしょうがないなぁ。他ならぬジュリの頼みだし」


「ありがとう!大好きよ、イグリード」


「調子いいんだから」



そう言ってイグリードは

アルジノンの愛妾疑惑の調査を引き受けてくれる事になった。



……ジュリの自室で。



「……あの~、イグリードさん?ジノン様なら今日の執務も終わって、またどこかへ出掛けてしまいましたけど?貴方はここで何をしているの?」


「何って?尾行だよ?」


「ここで?」


「ホラ見てよ」


と言うとイグリードは

丸い鏡のような物を取り出してテーブルに置いた。



「ホラホラ……」


イグリードが手をかざすと、


鏡の中に王都内の一画で

まさに馬車を降りようとしているアルジノンが映し出された。



「わ……これ魔法?」


「そうだよ♪」



それにしてもアルジノン、


ここで何を?


周辺を見たところ、


ここは住宅街のようだ。


しかもそれなりに裕福な層が住む地域らしい。



アルジノンは馬車を降りると

同乗していたセオドアに何か言って、そのままとある一軒の邸宅に入って行った。



「「「!!??」」」



こ、こ、こんな一軒家に何の用!?


絶対に店舗とかではない、


こんな普通(多分貴族の家だろうが)の家に何の用があって一人訪れた!?


セオドア(側近)も連れずにたった一人で!?



「……これは……黒だね☆」



「黒!?何が黒っ!?」



わかっていて認めたくないジュリ。



「ジュリ、ここは娼館だよ。それも上客だけを相手する高級娼館だ」



「高級……娼館……?じゃあ…ジノン様は……」



「もう真っ黒☆」



「やめて!!」



ジュリは思わず耳を塞いだ。



知りたいと願ったのはジュリだが、


こんな真実知りたくなかった。


ホントはアルジノンがそんな事するわけがないと

高を括ってたのだ。



オトコのサガだからしょうがないと言われても

納得など出来ようはずもない。



「……イグリード……」


「何?」


「わたしに認識阻害魔法をかけて」



「へ!?」



「ジノン様からはわたしが、わたしからはジノン様が。互いを全く認識出来ないようにして!」



「ジュ、ジュリ様、落ち着いてください……」



珍しくタバサが慌てている。



「わたしは落ち着いてるわ。でもこのままじゃわたし、確実にジノン様をぶっ殺してしまうわ。生まれて来る我が子のために殺人者にはなりたくないの…!」



「ジュリ、ホントにいいの?」



「いいの。それが一番平和的解決だもの。オトコの生理現象なんて、そんなもの糞食らえだけれど、止められないなら仕方ないわ。だったらもういっそ認識出来なければいいのよ。わたしの知らないところで好きなだけヤッてればいいのよ!」



「わかった♪面白そうだからいいよ☆」



「イグリード様っ!」



タバサが止めるのも聞かず、


イグリードはジュリに認識阻害魔法を掛けた。




この日を境に


アルジノンの目の前からはジュリが


ジュリの目の前からはアルジノンが


ホントは消えてないんだけど


姿を消した……。




















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