1-1 不運な黒猫
〜前回のあらすじ〜
夏休みも終わり辛くて楽しい二学期が始まったのだが【黒猫】こと言霊 零二は始業式早々追い掛けられてなんとか逃げ切りました。しかし、彼は屋上からどこへ逃げたのでしょうか?今回もれいじ視点から始まります
「…足が痛い」
追っ手から逃れたのはいいが、足と手が痛い。ついでに言うと手からは出血している状態。仕方なく血まみれの手でポケットの中に手を入れる
「包帯と消毒液は確か…あった」
応急処置のためにいつも持ち歩いてる包帯と消毒液があることを確認した後、近くにあった蛇口を捻り傷口を確認するために洗い流した。はっきり言おう、ものすごく痛い。ついでに言うとその後の応急処置も中々の痛さである。
「後は包帯巻いてっと…よし」
応急処置が終わったところで時間を見る。
「12時か。もう今日の日程終わってるな」
こんな調子でホームルームにすら参加できなかった
〜帰り道〜
「疲れた。なんであいつらから逃げないといけないんだ」
そう言いながら溜め息を吐く。そういえば、追っ手の連中についてはまだだったよな。俺としては思い出したくないが振り返りがてら説明すると、あいつら生徒会のメンバー。しかも下っ端。要は1年生。補足で全員女子生徒。話しを聞いてくれるなら嬉しいんだけど、実際は酷いったらありゃしない。何度屋上からパイプ伝って逃げたか。
別に俺自身特に目をつけられない人間のはずなんだけどな…
「ただいま〜」家に着いてそんなことを言ってみるが俺は一人暮らしだ。当然誰もいないわけで
「おかえり。遅かったね」
「スーパー寄ってきたからな」
誰もいないわけで…えっ?
「……」
「どうしたの?そんな驚いた顔して」
「あんた誰!?」