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オレとご主人サマと隷属の腕輪

「ソーマぁ、【起きて】!」


 痛い痛い痛い!! 腕に針がチクチク刺さったかのような痛さがオレを苛む。


「あがががが! いてえ! いってえ!!」

「おはよう、ソーマ」

「お、おはようじゃねえ! 人起こすのに隷属の腕輪使うな!!」


 やべえ、命令で起こされるとこんな痛みが来るのか。しらんかったぞ。くっそ、ご主人につけてやれば良かったのに。うわあ、気持ち悪い。背筋がぞぞぞってする。


 ってか、昨日なにしてたっけ……。

 迷宮から帰ってきて、びびって縮こまってるオレにご主人が……


『お漏らししたソーマが可愛かったから、僕におしっこかけて!!』


 あー……思い出した。クソッタレな隷属指令だされて、聖水プレイをやらされる羽目になったんだっけ。クソが。夜伽の相手ならしてやるつってんのに……。

 いや、しかしあれはあれで、中々ゾクゾクしたが……ってちげーよ!


「おい……お前、なんで隷属の腕輪外してくれてないんだよ」


 迷宮でびびって一歩も歩けなくなったオレに対する隷属指令で、無理矢理屋敷まで帰ってきたんだけど、ったく、自分の限界まで荷物持ちすぎて、オレを運べないとか嘆かわしい。ご主人なら奴隷がダメになったときに運べる度量を持っておけ!

 そこからずっとご主人のターンだったか。

 ああ、くっそ思い出して恥ずかしいぜ。なんであの時オレはノリノリだったんだよ! 流石に気が昂ぶってたのも合って、久々に気持ちよかったわ、クソッ! ああ、マイサンが恋しい。


「だって、ソーマ、こうでもしないとデートしてくれないし! 今日はデートだよ、デート!」

「お前、昨日迷宮デートとか抜かして、さんざ引っ張り回したろうが。その股間に付いてる奴今度噛み千切ってやろうか!?」

「いいねいいね! ソーマなら大歓迎だよ!」

「ああはいはい……」


 気持ち悪い。いや何度かそりゃあやってるけど、流石に口でするのは性に合わないからなあ。上に乗って腰振ってる方がいいわ。支配してる感あるし。


「どうせ、これ外してくれねーんだろ?」

「勿論! 今日は街に行って、美味しい物食べるんだから!」

「おい、戦利品の換金が先だろ。それの理由付けでオレを振り回すな!」

「でもそのお金で、美味しい物を食べるのは本当だよ? ソーマも一緒に潜ったんだから、ソーマも分け前を貰わないと!」

「つっても、今回の上がりなんぼくらいの予定なんだ? そもそもオレそんなに欲しいものねーぞ。衣食住はご主人が完備してくれるからな」

「ざっと二十万くらいかな? そこそこ狩ったし、最後ソーマが漏らしてる時に重討伐指定の魔物が混ざってたからね。そいつを討伐した証を提出で十万。他の戦利品だけで十万位だと思うけど、何か欲しいのあった?」


 いや、素材関連分からないし。というか漏らしてないし。ちびっただけだし。ただちょとパンツがぐっしょりと行っただけだし。手早く洗って、火と風の混合魔法で乾かしたし! 断じて漏らしてねーし!!


「食うだけなら一か月遊べるなあ……」

「ソーマといちゃいちゃする!」

「働け、クソご主人。近場の迷宮の重討伐指定全部ソロで狩ってこいよ」

「えー。ソーマも一緒に行こうよ。ソーマ一人置いて下層とか遠地とか行きたくなーい」

「あー……オレは別に大丈夫だぞ? 隷属の腕輪外したところで逃げる気ないからな」

「違うんだ! ソーマが一日でも僕を罵ってくれないのが嫌なんだ!!」

「あー……」


 朝っぱらから疲れるなあ。正直昨日ヤッたのもあってだるくて動きたくないってのが本音なんだけど。しっかし、オレよりハードだったくせにどうしてご主人はこんなにも元気なんだ。


「まあいいや……。んで、着替えてくるけど?」

「やった! じゃあ【とびっきりお洒落】して【パンツもちゃんと女物を穿く】こと!」


 おい、クソッタレな指示にも程があるんだが?

 この指示を紐解くと、いつものキャミにミニスカはダメってこったろ?

 あー、あいつ一体どんな服オレに買ってくれてたっけ……。クローゼットの中見ないとわかんねえぞ……


 で、だ。適当に見繕ってきたのはいい。


「おいこれ、全部一人じゃきられねーぞ!?」

「えー、ソーマ、女の子なのにそんなのも着られないの?」

「だから、オレは元は男で、しかもこの世界の人間じゃねえって何度言えば分かるんだ!」

「分かってる分かってる僕が着せてあげるから、ほらバンザーイ」


 ご主人、絶対オレを手ずから着せ替えたいから着るのめんどくさい服買って来てんだろ。なんだよこれ、この世界の縫製技術はそこまでないと思ってたけど。


「いやあ、ソーマの肖像画を持って、職人にオーダーした甲斐があるなあ。どれを着てもやっぱり似合う!」


 ああ、ワンオフでしたか……。そりゃあ豪奢になるわけだ。

 どうせ、この服達も幻想魔獣の素材使われてるんだろうなあ……。聞かないでおこう。


「おお、ソーマがちゃんと女物のパンツを穿いてる! 感心!」

「お前が穿けって命令出してるからな。ぴっちりしてて正直気持ち悪い。トランクスにさせてくれよ……」

「えー、折角外でしようと思ったから可愛く着飾らないと!」

「お前さー、ドSなの? ドMなの? オレ外でする趣味ないんだが?」


 まじでなんなのコイツ。外かあ……。あー、ご主人を全裸に剥いてわんわんプレイはちょっとやってみたいなあ。


「おお、その顔、ソーマが乗り気だ! やったねこれで僕全裸露出ができるっ! いやあ、一度やってみたかったんだよねえ」

「まてまて、お前パンピーの前じゃ、イケメンの二つ名持ちのSランク冒険者で通ってるんだから、そこは大事にしろよ?」

「ソーマ、少し考えて欲しい。その目が一気に蔑む物へと変わったらどうだろうか?」


 あー、コイツ生粋のドMだわ。軽蔑の視線で快楽得るタイプかよ。

 そしたら、街中全部が天国じゃねえか。


「おう……流石に一緒にいるオレまで被害に遭うような真似はさせねーぞ」

「あ、はい。ソーマが一番だよ!」


 よかった……。露出わんわんプレイは避けられた!

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