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オレとご主人サマ  作者: 来宮悠里


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オレとノービス達と顔合わせ

「ご主人、ちょっと迷宮行ってくるー」

「じゃあ、僕もいくよー」


 言われると思った。だがここは断固として断らねばならない!

 できるなら、オレ一人の力でランクを上げないといけないのだ。

 そこに養殖の意味が混ざったらオレの実力じゃあなくなってしまう!


「養殖はお断りだ!」

「えー、僕が魔物の注意を惹きつけて、ソーマが魔法で倒す方が効率がいいよー?」

「全くもってその通りだが、オレの立ち回りが育たねえだろうが!?」

「えー、そんなのいいよー。ソーマは僕を巻き込んで魔法で一掃するだけなんだから、簡単でしょー?」

「うるせえ! この前助けたパーティの話しただろ? あそこヒーラーが囮になって壊滅から脱してるから、オレが助けに行くんだよ!」


 ついこの間、街を歩いていると、喫茶スペースで未だに沈んだ顔をしたあいつらを見かけたお陰で、ついつい今度迷宮に潜るときはついていってやると言ってしまったんだ。

 そうでもないと立ち直ってくれそうになかったからだ。


「うーん、しょうが無いなあ。ソーマは優しいからね。そういうのほっとけないんだもんね」

「優しくねーし。つーか、いってもいいのか?」

「いいよ。でもあんまり日にちは開けちゃダメだよ。それとみんなが危なくなるまでは手を出さないこと。ヒールだけだからね、やって良いのは」

「おう」

「ヒールを使っていいのも初等まで、危ない時は中等も使っていいけど、できるだけ回数使えないような素振りを見せるんだよ?」

「お前はオレのおかんか!!」


 まあ、ご主人の言いたいことはよくわかる。

 オレの能力的に、明らかに現状のランクよりも数段上の魔法が扱える。だからこそ爪を隠せと言っているのだろう。

 だけど、既にあのオリジナルの合成魔法は見せてるからなあ……。全部初等魔法の合成でできる事だからいいんだけど。


「大丈夫かなあ……。一応濃縮魔力香だけは忘れないようにね」

「わーってるよ。それじゃあ行ってくる。ついてくるなよ!?」

「大丈夫だってー。今日はギルドでスィエ達とソーマの帰りを待つよー」

「保護者参観かよ!! 安心しろって絶対帰ってくるから!」


 もう、なんなんだ、今日のご主人は。

 最低限の荷物を持って、あのノービス達と待ち合わせをした場所へ向かう。

 安い飯屋だ。

 もう既に昼を回っているから、上層で少しだけ慣らしをして帰るような形になると思っている。そうでもしないと、ご主人に迷惑を掛けるからなあ。

 まあ、宿代と最低限の飯代くらい出れば御の字だろう。


「おー、待たせたなー」


 待ち合わせ場所に着くと、既に四人がいた。

 ギルドでのマッチングで組んだパーティみたいだけど、それなりに連携はできるらしく、パーティ結成一か月後には中層領域に踏み込むとしていたノービスだ。ランクはもうFから抜け出してEにあがっている。

 Dランクのオレが組んでも全くもって問題は無いのである。


 パーティを組むならば、できる限り、一つ上か一つ下と組むのがベターと言われている。

 実力差があまり出ないお陰で、無茶をしにくい、死ににくいといったメリットがあるからだ。

 高ランクと組むとランクを上げるのは早くなるけれど、立ち回りが身につかないと揶揄されるのもそれだ。ただ強いだけの木偶人形の完成だ。オレがまさに今そんな状態。正直日本に居た時のゲームの知識で動けているからマシだけど、これが前衛とかだったら最悪だぞ、ほんとに。


「すみません……僕達の為にお時間を頂いて……」


 剣士の男の子が萎縮したように言った。あーいいなあ。ショタっ子可愛いなあ、おい……。ご主人に抱かれるくらいならこっち系の初心な男の子抱いた方がはるかに面白いぞ……。

 いや、ちげえよ。なんでナチュラルに抱く方向に考えてんだよ、オレ。

 抱くなら、女だろ!?


「気にすんな。今日はさっと上層潜って日銭稼いで帰る感じでいいよな?」

「はい。よろしくお願いします」

「それじゃあ、行こうか」


 オレが先頭に立って、他の四人をリードしていく。

 どう考えても下層まで潜ったことがあるのはオレだけだからな。

 道すがら、自己紹介も兼ねて、装備やスキルの確認をした。


 剣士の少年は、名前をトグルと言うそうだ。駆け出しの剣士で、職業素養はまだ剣士しか発現していないらしい。

 基本的な剣術と、体格に合った長剣及び革張りの丸盾に、革製のウィークポイントを守る簡易鎧。魔法も少しは使えるらしいが、あまり得意ではないそうだ。

 将来は魔法剣士かな?


 次に短剣装備の少女、名前はリディ。メインは斥候で、情報収集や、交渉事を一手に引き受ける子だ。可愛い。でかいおっぱいにはロマンが詰まっている。可愛い。胸ばっかり見てたら凄い睨まれた。可愛い。


 同様に、魔法使いのグランと、もう一人の剣士であるラッテの四人にオレを加えた五人が今回のパーティだ。

 男女二人ずつ、凄くバランスがいい。絶対くっついてるか乱交かしてるんだろうなあ。みんな可愛いし……。ああ、オレも混ざりたいなあ……。


 って、まさか……もしかして、この前あんだけヤッたというのにまだたりないのか……? まじかよ。後天素質のアレが働いてるんだとしたら最悪だ。


 まあいいや、諦めよ……。

 というわけで、これから上層で連携の確認をして帰る簡単なミッションの始まりだ!!

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