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オレとご主人サマ  作者: 来宮悠里


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オレとご主人サマと小悪党

 もう大分酒のペースも落ちてきた。

 三人は酔い潰れ、今起きているのはマイペースでちびりちびりとやっていたオレと中衛の小悪党だけだ。


「キメラを倒したのは聞いたけど、そいつを作った奴って結局どうなったんだ?」


 オレの素朴な疑問だ。

 錬金術で作られた合成魔獣。まあ、そもそも魔獣を合成するっていう発想がメガ○ンみたいであんまり好きじゃ無いんだけど、結局使役者がいるなら、元を正さないと意味がない気がする。


「その方なら真っ先に死にましたよ。制御ができなくなったのもそのせいですし」

「あー、やっぱり」

「まあ、魔道書三冊を快く差し出したのは、口止めの意味も含めてでしょうね」

「なるほどなあ。ありがと……えーと」

「マークです」

「おお、すまん……。なんかお前の名前覚えにくくてなあ」

「いいえ、裏家業の人間ですので、名前を覚えられないというのは良いことです」

「やっぱりそうなのか」


 薄々思っていた。小悪党顔の丁寧口調。ただ普通にどこにでも居そうな感じなんだけど、まあ、暗殺とかその手合いを受けてたんだろうけど、絆されたって所か。


「あれか、ご主人の命でも狙ったか?」

「っ! 驚きました。初見で看破されるとは」

「ありきたりだからなあ……」

「ほう……。ソーマの見識は目を見張る物がありますね」


 いやだって、良くある話だろ? このオレの手を握って離さない酔い潰れたご主人の命を狙う。

 脅威だもんなあ、魔神すらも倒すような奴だぞ。オレから言わせれば、現状は勇者が魔王を倒した後の世界だ。正直のうのうと生かしてたら勇者が何をしでかすか分からないからな。事が済み次第暗殺するように王命されてたんじゃねーの?


「大体が、お前等の予想出来ることは知ってると言っても過言じゃねえな。元いた世界じゃ良くある話だったからな」

「なるほど……」

「今やらなくていいのか?」

「ふむ……確かに絶好の機会ではありますが、もう足を洗った手前やりませんよ」


 静かに笑うマーク。酒をちびりちびりと煽る姿が様になっている。オレも向こうに居たときはこういうタイプを目指していたはずなんだがなあ。


「それに、可愛らしい女性を泣かせる訳にはいきませんからね」

「うげええええ……気持ち悪い……。男に言われても嬉しくねえ……」

「そうですか……おかしいですねえ」


 心底不思議そうに首を傾げてみせるマークだ。

 しょうがねえだろ、オレは元々が男だし、男に可愛いと言われてもちっとも嬉しくねえ。まあ、スィエやミセリが可愛いって言ってくる分には良いけどな。

 ビバ、女尊男卑。

 日本に居たときはクソ食らえって思ってたけど、まあ、考え方一つでどうとでもなるな。


「オレは男だって言ったと思うけどなあ……」

「ふむ、しかしまあ、今はあなたはとても可愛らしい女性だ」

「口説いても股は開かねーぞ。童貞野郎」

「大丈夫ですよ。必要であれば娼館に行きますので」

「なんか、やな奴だなー……。オレも娼館行ってみたいけど、まだ童貞だからな……」


 心のチンコでスィエと一発やってからじゃ無いといけないわー。

 そんなスィエも酔い潰れてだらしない格好してるし。

 椅子にもたれかかったすがたはあれだ。おっぱいぷるんぷるんしてる。

 涎垂らしてるし。スィエの皮膚細胞になりたい。


「そんなに気になるのであれば、襲ってしまえば良いのでは?」

「はっ、ふざけんなよ?」


 まじ、ふざけんなよ?

 初めては、お互い同意の上で、ドキドキしながら服を一枚一枚脱がせ合ってから、ベッドインに決まってるだろ。

 なんで、酔っ払って意識無い状態の相手としなきゃならんのだ。

 それはレイプだ。例え知己で友情があったとしてもそれはレイプだ!

 やるなら合意を持って、いちゃらぶしたい。なんでそれがわからないかなあ?

 ということを勿体ぶってマークに説明してやった。


「くすっ……。まさに青少年の発想ですね」

「悪いか!」

「いいえ、青臭くてとても良いと思います。結ばれると良いですね」

「絶対一発やってやるんだ……。ああくそう、マイサンが恋しい」


 はあ、スィエのおっぱいに顔を埋めて、いちゃいちゃちゅっちゅらぶらぶしたい……。ああもう人肌が恋しいなあ……。はあ……ご主人で我慢するか。

 手の届かないおっぱいより、近くのチンコだ……。それで我慢しよ。


「ソーマも大分酔っている様子ですね、そろそろお開きにしましょうか」

「ああ、そうだなー。今日はここ貸し切ってるんだろ?」

「ええ、まあ。酔い潰れるのを見越して、酒場には店主以外誰もおりませんよ。二階の好きな部屋をお使いください。スィエとミセリは自分が連れて行きましょう」

「おまえ、この後に及んで、3Pか羨ましい……」

「はあ……、部屋に運んだら娼館にでも行きますよ。流石に二人と致してこれからの関係に深い溝ができるのが困りますからね」

「それならよーし!」


 おれはご主人の顔に水をぶっかけて、ゲラゲラ指を指して笑って起こして部屋に行った。

 三階の一番大きい部屋だ。マークが言うには防音もしっかりしているらしい!

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