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6.ボカディーリョ売り、マジ勘弁って思う

 アランは駐車場の車に戻った。辺りを見渡す。


(やはり、女は来ていないか...)


 アランは運転席に乗り込むとドアを閉めた。エンジンをかけようとした時、アランの長年の勘が働いた。急いでドアから飛び出し、アスファルトに転がる。


 その瞬間、車は爆発した。


 光と大きな爆発音の後に、黒々とした煙が立ち上る。

 アランは破片が飛び散る中、更にアスファルトを転がり、それから中腰に立ち上がり、走って車から離れる。


 車からは炎が上がり、煙はもうもうと空へ上っていく。


(これが、狙いか!)アランは顔が赤くなるほど、高揚した。


(この俺の始末に失敗したな!)

 アランは銃をホルスターから抜いた。そして、走った。走って芦田の元へ向かった。





 芦田はアランを見送り、姿が見えなくなってから少しして何とか立ち上がろうと試みている最中だった。


 その時、爆発音が鳴った。


 駐車場の辺りが明るくなり、黒い煙が立ち上っていくのが見えた。


(爆発か!?あの男が何かしたのか!?)


 芦田はただならぬ事がまだ続いていることを知り、早く立ち上がろうとしたが、体の痛みがひどく上半身を起こすことで精一杯だった。

 右足を立てて立ち上がろうとしたが、腿と脛が痛くてやめた。それで左足を立てて立ち上がろうとした時だった。


 アランが駐車場の方から走ってきた。


(またあいつだ!)芦田は必死で立ち上がろうとする。


 その時、アランと反対側から芦田の方へ一台の車が飛び出し、向かってきた。シルバーのベンツだった。


(あの車!)芦田は車に見覚えがあった。ミラが乗って行った車だ。

 ベンツが芦田の横で止まる。同時にドアが開く。


「早く乗って!」ミラが叫んだ。

 芦田はふらふらとぎこちなく立ち上がると、ドアから出てきたマルコに体を抱えられ、後部座席に押し込まれた。


 近くのアスファルトが光り、跳弾の音がした。

「撃ってきたぞ!」マルコが叫ぶ。


 シルバーのベンツが急発進する。加速。運転しているのはミラだ。

 ミラはハンドルを強く握り、アクセルを力一杯踏み込む。

 跳弾の音と、加速するエンジン。ミラはアランへ突っ込む。


 交差の寸前、アランは横へ飛んだ。

 転がるアラン。ベンツはそのまま猛スピードで駐車場へ入り、燃え上がる車の横を通り過ぎる。


 アランは起き上がり、走って駐車場へ向かった。三人を乗せたベンツの姿は既に無く、アランは立ち尽くした。


(まずは、この燃える車を何とかしなくては)アランは我に返ったようにスマートフォンを取り出し、ボディーガード仲間に電話した。


「ああ、俺だ。すまんが、少しやっかいな事になってな...」

 アランは電話をしながらその場を離れた。


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