鬼唄
以前自分が考えていた小説の設定から生まれたものです。本当は小説の主人公の裏の顔というか、正体というかを表した唄で、主人公を恐れていた人々が唄っていたという設定でした。
小説の方は設定を作るのが限界で挫折したため、せめて自分なりに上手くできたと思っているこの作品ぐらいは、と思い投稿してみました。
駄文でこざいますが、読んでいただけると嬉しいです。
夜に靡く月の長髪
闇に灯る血の右眼
全てを斬り裂く爪と牙
人の姿で世を欺く月影の鬼
それは紅を輝かせ、幻を従え現れる
それは紅を降らせ、幻を創り出す
それは紅を纏い、幻を残し去る
夜半の月に背を向けて
狂い舞い踊りしその姿
見た者全てに紅を刻む
心せよ
鬼は全てを視透し、全てを聴いている
心せよ
鬼は全てを斬り裂き、すべてを奪う
忘れるな
鬼は闇に、影に、隙に、全ての黒に
忘れるな
鬼は現世の無にして、常世の有
ここに唄おう
恐れをはらむ、音色を以て
ここに唄おう
畏れを滲ます、響きを以て
そして紡ごう
狭間に生きる、幽鬼の名を
そして紡ごう
紅き幻を刻む、麗鬼の名を
夜が来る度、紅が降る度
虚無を震わせ、唄い紡ぐ
月夜の影に宿りし
"紅幻夜叉"の名を
お読みいただきありがとうございました(*^^*)
感想や評価などしていただけると、嬉しく思います。