表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/141

【03-09】

                    ※ ※ ※

 

 

「校内で相談できないのは不便よね」

 

 舞が対面に座るふたり、颯一とリンにこぼした。

 

 テーブルの上には紙コップ入りの飲み物と、お得サイズのポテト。

 

 三人は学校を出ると、駅近くのファーストフード店に移動。

 一番奥の席に陣取った。

 

 狭い店内は半分くらいが、颯一達と同じ制服の少女達。

 部活帰りなのあろう。楽しそうに話している。

 

「仕方ないよ。僕達みたいな存在は、あまり公にできないから」

「それもそうだけど、『死の九番』に悟られたらまずいでしょ」

「大丈夫だよ。『死の九番』が校内の様子を把握できると言っても、その力は限定的だから。会話を聞き取ったりはできない。監視カメラレベルってところかな」

「どうして、言い切れるの?」

「このタイミングで『死の九番』が動き出したからね。会話が聞けるなら、もう少し早く行動するはずだ。だって、瑞穂さんが春から情報収集してたんだから」

 

 今年は『死の九番』による事件が起こる年。

 舞はそう考えて、進級直後から『死の九番』について尋ねまわっていた。

 

「聞き込んでいる内容を知れば、なんらかのアプローチがあったはずだからね。野放しにおくメリットはないよ」

「ただの怪談好きって思ってた可能性も」

「ないな。陽菜や理紗があれこほど言うくらいじゃ。常軌を逸していたのであろ?」

 

 リンの指摘に舞が言葉を詰まらせた。

 振り返ると怪談好きで済ませられるレベルではなかった気がする。

 

「黒マントの登場タイミングもそうだしね。話している内容が把握できるなら、もう少し僕らを泳がせておく方が得策だよ」

「なるほど。納得したわ。で、これからどうするの?」

 

 立案については颯一の方が優れている。

 それを暗に認めた形での発言だ。

 

 食堂で颯一は由梨亜に、『死の九番』から届いたカードについて、校内新聞で取り上げる許可を求めた。

 由梨亜はふたつ返事で了承。

 必要なら実名を出しても構わないとまで言ってくれたが、当面は名前を伏せておくと約束。

 最後に連絡先を交換して別れた。

 

「『死の九番』の目的は、僕らに『死の九番』を倒したと思い込ませること。それには何も起こらないのが絶対条件になる。もし校内新聞で誰かに『死の九番』からカードが届いたというニュースが流れたら」

「何らかの動きがあるかも。でも、待って。私達が新聞部や妹さんに接触しているのを、『死の九番』は知っているはずよ」

「知ってるからこそ動く可能性が高い。僕らが新聞部から接触したからね」

 

 颯一の説明がピンとこず、舞は困った顔になる。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ