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アレンジ特訓 3回目 2

 キャベツの葉を熱湯でゆでるのは一般的だから良いが、3cmセンチメートルくらいの帯状に約10枚ずつ切って水気をふくというもの、これは珍しい作り方に思えた。ミニトマト6個を半分に切って置いておく。


「肉だんごをキャベツで巻いてようじで留めるわけだけど、可愛いのができちゃうのよ」


 どこか楽しげにゆっくりと真奈先輩がフライパンに一口サイズロールキャベツを並べる。蒸し煮するスープは固形スープとトマトケチャップ大さじ2・水1カップが基本のベースで多分香りつけにローリエを半分ほど使ったんだろうなと思った。


「私の方が先に作り終わりそうですね」


後は盛りつけてソースをかけるだけだからすぐに終わった。真奈先輩の蒸し煮しているアレンジロールキャベツが後5分くらいかかりそうで時間が余っているようである。せっかくなので私は去年の飯合先輩との部活時間について聞く。


「真奈先輩、飯合先輩と料理してきて変わった事はありましたか? 何かエピソードとか」

「あらっ、気になっちゃうのね。私も飯合君も料理が好きだからこの部活に入ったのよ。特に彼のご飯料理には魅せられるものがあったわ」


 それならと真奈先輩が飯合先輩とどう共同作業をして、新しい発見があったのかと話してくれようとしたが――


ここでタイマーが鳴ってしまったので話が打ち切られてしまった。おあずけをされている犬のような気持ちになっちゃったけど仕方がないかな。

 真奈先輩が盛りつけて塩こしょうで味付けをしている。私と先輩2人ともがどんな事を言われてしまうのかドキドキなはずの食事時間だ。早いものでもう5回目なのか。


「じゃあ私の作った方からお願いします。可能な限り早く食べてもらった方ができたての美味しさを味わってもらえるかと」


 私は思いつきの(細かく考えれば今まで見てきた料理本や料理サイトで確認してきたものを参考にしちゃっているだろうけど)ポテトサラダを入れるポテサラロールキャベツを真奈先輩に差し出した。


「変わり種よね、この感じ。材料的にまずくなるなんて事はないと思うけど」


 じゃがいもの腹持ち感・かにかまの風味・ツナ缶のしっかり感・コーン缶の食感とかだけでも食べる楽しみがあると真奈先輩に感想をもらった。「ソースを使えば味の変化を楽しめるのね」って参考になる料理採点をしてもらう。そして、真奈先輩は普通に評価を求めているんだろうけどやはり私とは料理知識が違う。それでも感じたままを伝えようと思った。


「まずは2種類アレンジで作ったという事だけで差が付けられちゃった気がしないでもないでもありません。まだまだ勝てそうにないから努力しなきゃ」


 まずは一口で食べられるミニロールキャベツを口に入れてみた。もちろん形が崩れないようにつけていた爪楊枝を外してなのはいうまでもない。うっかりして口の中を傷つけたくないしね(経験談)


「普通のロールキャベツとあまり変わりませんけど、食べやすさに特化していますね」


 それから次に取ったお皿には真奈先輩のもう一つ作ったロールキャベツが乗っている。見た目からしてすでに違いが。キャベツではなく、肉で材料が巻かれているのだ。


「この食べ方も美味しいですね。何気に凝っていますし」


 肉を食べた時に感じる少しの満足感・キャベツ自体の味もしっかり主張するような味付けだし、この食感は固くもやわらかくもない人参かな? スープがこの材料全てに染み込んでいて美味しく出来ているなと思った。


「有音ちゃんはもう少し自信を持っても良いと思うのよ。特に独創的な料理は新しい発見の一歩よ」


 私は先輩にアドバイスされて、もう少し自信を持ってこれからも挑戦し続ける気持ちになった。


 今回は奏と飯合先輩で一足先に帰っちゃったみたい。何だかんだ言っても奏が楽しそうにしている声を聞くと元気になれるんだけどな。帰っちゃったんだからそうしようもないけど。




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