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アレンジ特訓12回目 4.

 私は作り終えたので真奈先輩の作業方法を見学して時間の使い方を学ぶつもりでいた。先輩が作っている汁物は材料で想像出来る、『豚汁とんじる』だろう。だけど途中から見学させてもらっているのでごま油の香ばしさの強さの理由を予想しか出来ない。

「これって1つか2つ、具をごま油で炒めていませんか!? かいでいるだけでお腹がすいちゃいそうな」

「香りでそこまで気づいちゃったみたいね。でもこの豚汁には他の工夫で更なる一味違ったを味わえる様にしたわ。楽しみにしておいて」

 先輩の豚汁、何だろうこのお楽しみ感。早速味見しあいませんかと誘う私。

「良いわよ。その前にこれを出させてね」

 先輩が冷蔵庫から卵どうふを取り出す。それに麺つゆ30ccかけてわさびをつけた。


「わさびはつけたかったらつけるものなの。有音ちゃんはお好みでね」

 2人とも満足に近い料理を作れた様子。私は『しょうがたっぷり鶏団子と春雨の鍋』『ほうれん草のツナ和え』で、真奈先輩が『しょうが! イモ』と『手作りたまご豆腐』『豚汁』といった訳で真奈先輩の方が一品多いかな。だけどお鍋にご飯またはうどんが良いかもとシメを用意してあるからおかずの品が少ないとは思われないはずだ。

「先輩が私の料理を食べようかなと早速お皿に盛ろうとしている所を申し訳ないのですが、先に豚汁を食べさせてもらいたいのでついでもらっても?」

 私だってお鍋の鶏がらスープに干し貝や干しエビの良いダシが出ているだろうと自信はある。だけど、先輩の豚汁が良い匂いを出しているのが気になってしょうがない。


「期待値が高いのね、応えたいわ。はい、どうぞ。このおかずも一緒に持っていって」

 私はありがたく受け取る。一番気になった豚汁をすすってみると一味の違いがあってビックリした。

「一般的なのより美味しくないですかこれ! その理由を考えてみます」

 ゴボウで感じるのはごま油の風味、肉の味はにんにくとしょうがの下味かな? 他にこんにゃくとにんじん、長ネギ。それからサトイモに感じる深味は粉末のかつおだしかどうか。

「有音ちゃん、結構美味しさの秘密に気づいた様だけど良く気づけたわね」

 先輩に褒められた私は嬉しさからはにかむ。


「それではメインを失礼します。このさつまいも! 甘さと生姜の味が混ざり合って広がっていくのが面白いですね」

 食べてみての感想。生姜に負けない、甘みの強いさつまいも(紅あずまやシルクスイートなど)が良い印象がある。真奈先輩が使った安納イモも美味しい。もう1つのおかず、手作り卵どうふをすくってみた。

「表現が難しいですけど、手作りの味とそして口当たりはこうなるんですね。こっちも少しだけ試してみます」

 手作りの卵どうふにわさびをつけてなめらかさを確かめながら舌で転がしてみた。わさび特有の辛味で一味違う気がする。

「先に美味しく頂かせてもらいました。すいませんお待たせして。それでは私の料理を確かめてみて下さい」

 私は食べ終わった所で先輩に肉団子の鍋とほうれん草のツナ和えを用意する。次は真奈先輩が味見してくれる番。



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