アレンジ特訓 11回目 6
それらを食べた後でチーズスープを飲んだつぶやきをもらす先輩。
「特にちくわを炒めたおかずの辛さを中和するためのスープ? そう考えられるけど。私は少し合わないと思ったわ」
私はいろんな料理のレパートリーから選んだとはいえ、今回の献立にはもっと良い汁物がありそうだと思っていた。汁物チョイスのミスがあったかなと思う。
「人には好みがあるから難しいわよね。でも、美味しいものを作り続けていれば多くの人に好かれる料理アイディアが浮かぶのも事実。でも、有音ちゃんの勝利はゆずがないから」
しまった、再度自分のミスを責め出しちゃった。早く違う話題を振らないと。
「今日のアレンジ料理前にも占いをやりましたけど、ちょっと動物占いをやってみました。先輩は猫だそうですよ。聞いてもらえます?」
そうすると、先輩が興味を持ってくれた。これなら良い面を重視して教えられそう。真奈先輩は合理的、目標決定達成を最短のルートで導き出すとか。豊かな想像力がある、気まぐれだけどそれが独創性につながって素晴らしいものが作れたりするとか。先輩が何かを言いたそうだが、もう少し付き合ってもらえる様に頼む。
「まあまあ、もう少しばかりお待ちを」
「わかったわ」
他にもカリスマ性がある、こまやかな気配り上手。当てはまるものが多いですねと問いかけた。
「私は猫なのね。良い話を聞かせてもらったけど、良くない面はどんな感じ?」
私は素早く自分の生年月日などを入力して、自分の占いに変える。
「ごめんなさい。私も占い結果が気になったので調べ直しちゃいました」
真奈先輩が不満そうだが、頭を下げて誠意を示す。そしてからこういう結果が出たと話し始めた。知っている事柄について完璧を求める、それを友達《奏や芽生ちゃん》にも望む傾向か~、否定は出来ないな。平凡な1日でも手を抜かず、作業だと思わない。アピールの仕方で選択の幅が広がるのだそう。痛いところをつかれているな。寂しがり屋とか神経質な一面もある。この分析、なかなか……
「ライオンなあなたは――――――。そういう結果なのね。有音ちゃん、気を紛らわせてくれてありがとう。気持ちの整理がついたわ」
「いえいえ。この動物占いっていうのも楽しそうと調べただけですから」
どうやら今回のアレンジ料理特訓勝敗を気にしてしまう事から解放出来たみたい。役に立てたっぽいぞ。




