アレンジ特訓 11回目 2
「もう少しだけ付き合ってちょうだい。せっかくだから占星術で今日のアレンジ料理を何にするかきっかけにするから」
真奈先輩が始めた占星術、代表的なのはタロット占いだろうか? いや、確か対象的な特徴を持っていた気がする。でも西洋占星術ではタロットを使うとどこかまたは何か本などで読んだ気もするし。
「ごめんね、占星術じゃなくてタロット占いをする事に決めたわ。有音ちゃんもこっちの方がわかりやすいでしょ?」
「はい。正義の正位置なら誠実な行動をしたら成功する。審判の逆位置ならチャンスをつかめないといった類のやつですよね」
うなずいた真奈先輩が0から21枚あるタロットから約10枚位を取る。
「わかりやすさを重視して代表的なタロットだけにしたわ。愚者、魔術師、隠者、運命の輪、正義、死神、塔、太陽。選んだのはこの8つ」
誰にでも当てはまる事が書いてある《意味として示されている》なんて考えは今、やめる。真奈先輩が雰囲気を作っている関係もあってどんな結果が出るかドキドキだ。あのタロットは正位置が良いとかそっちのタロットは逆位置を望むとかあるし。先輩が手裏剣を投げるような動作で8つのタロットを机の上へ。別にタロットイラストが見えてしまったとしてもそれはそこまで影響ないだろう。位置の方が重要だもんね。だけど先輩は上手くイラストを出さなかったけどさ。
「有音ちゃんが好きなタロットを3つ選んで。位置は動かさないように気をつけてね」
私は先輩に言われた通り、適当に3枚見つくろって渡した。
「どれどれ? 愚者の逆位置、魔術師の正位置、運命の輪の正位置か。運の悪さは気をつければ何とか。回避で幸運に恵まれそう」
愚者で示されてる愚行、短気、いい加減な仕事というもの。すべてならない様に注意すればどうにでもなるだろう。それよりも魔術師の駆け引きや柔軟な対応、頑張る分成果が出るというやつ。運命の輪による幸運とか大きな進展があるという意味を信じた方が精神的にも良い。
「今回はこの料理を作りたいというインスピレーションが浮かんだから『豆腐料理』アレンジ料理でよろしく」
真奈先輩が何かを作りに動き出す。私も豆腐だけでなく、焼き豆腐や厚揚げを見た上で作るものを決めた。
「先輩、どういう料理の予定ですか? 私は豆腐と豚肉にキノコを加える感じで作ろうかと。味付けはまだ未定かな~と言った所で」
「有音ちゃんに予定を言われたから私も答えるわね。厚揚げを焼いてタレをつける感じにするわ」




