アレンジ特訓 3回目
料理研究部の活動、GW直前にも当然活動している。アレンジする楽しみに芽生えが。
「奏、今日はあの大会での反省もするんだよね? 聞いてんの!?」
返事をしてくれない奏に業を煮やした私が怒ると、驚いた表情で奏がとりあえず謝罪した。
「ごめん有音。料理の奥深さで考える事があって」
結局あまり奏と話せないまま、今日も家庭科室に入る。
「有音ちゃん、こんにちは。早速だけど今日はこれね」
私が微妙に元気を失った表情をしたのに気づいたのか、気分を変えるように持って行きやすいようにさりげなく部活内容に興味を持たそうとしているといった気遣いにも思える。そう言って真奈先輩が見せてくれたのは大玉の春キャベツだ。
「さて、何を作るんだろう?」
私の意識が今日のアレンジ料理に向く。作れば作る程、アレンジしてみたい料理が増えていくな~。早速私はいくつかの缶詰を見た。
「よーし、決まった!」
「キャベツ料理と言ったらこれ! ロールキャベツでアレンジよ有音ちゃん」
数多くあるキャベツの料理の中からこのアレンジ料理を作るかもしれない、それが当たって私は何だか嬉しかった。前は真奈先輩に一部準備をやるべき点の一部を好意でしてもらっていたけど、今度は有音の方がナベに湯を多めに入れて茹でるところまでをする。
「準備ありがとう。私は2種類思いついたから先に1種類作り始めちゃうわ、見てて?」
キャベツの葉を3枚ずつ塩少し入れた沸騰したお湯に入れてしんなりするまでゆでる。熱が取れるまでの空き時間を利用して人参の皮をむいて千切りにしていた。ついでに豚肉を2から3枚ずつ少し重ねるようにして置き、こしょうで味付け。空いている時間を無駄にしないのはさすがである。
キャベツの葉と豚肉を少しずつずらしながら巻いていく。手前に人参を4分の1くらい置いておけば自然と巻けるという寸法みたいなやり方も、なるほど。
最後に何も入れていないナベに巻いたやつを並べいれて水2カップで火にかける。煮立ってから弱火・味付けはローリエとスープの素、塩こしょうみたいだ。約20分かけてロールキャベツアレンジが出来たら大きいので食べやすく切る。器に盛ってから煮汁をかけるのもワンポイントっぽい。
誰でも考える事かもしれないが、食べやすく切る。煮汁の活用というのも私も意識しなきゃなと思う。
真奈先輩が盛り付けをしている間に私もナベに入った水にお酒と塩を入れてじゃがいもを水に隠れるくらいな感じでゆで始めていた。次にキャベツはさっとゆでて冷水でひきしめる。今は芯部分を使わずにみじん切りにしておく。かにかまも1センチ長さくらいに。
「あら、有音ちゃん。結構大掛かりね」
そう言っている真奈先輩が肉だんごの材料を良く練り混ぜて10個くらいまず丸めて作っている。
「今度やる作業はポテサラに使う材料=コーン缶やツナ缶をじゃがいもをつぶしてから追加。ここで味付け」
結構料理工程が多いので、私は手を動かしながら思い出しつつという作業の流れだった。キャベツの葉1枚で丸く包めばほぼ完成である。ケチャップ大さじ3に少量の辛さで後ひかせるつもりでソース作りを終わらせた。
一方、真奈先輩の作業内容は――