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アレンジ特訓 11回目 1

今回の料理研究部の活動はこうして始まった。私はたまには休日に、また先輩後輩間で遊んだり料理したりしたいと真奈先輩に伝えたい。そう思っていたが、部室の明かりが点いていなかったのでまだ来ていないのかなと思った。しかし、室内で物音がしたのでドアを開けようと確認したら先輩の姿らしき影を発見。

「先輩、おはようございます。電気もつけずにどうしたんですか?」

 家庭科室の机にテーブルクロスを引いて、机の中央に水晶球(らしきもの?)一般的な占い師衣装を身にまとった先輩が口を開いた。


「今日の話題を占いにしようと思ったの。形から入ってみたわ」

 先輩のお茶目な一面は微笑ましい。さて、どんな話というか質問があるのかなと思っていると――

「結果的には哲学めいちゃうかもしれないけど、この占いについてどう思う?」

「うーん。それより……。予想前に大きなその球が気になっちゃって」

 その点は真奈先輩が質問されるだろうなと考えていた事と一致していたようで教えてくれた。

「私もこんな物があったのは驚いたわ。演劇部の人達が数年に何回か使うらしいんだけど今は使わないっていうから借りて来たの」

 この水晶球があった理由は今の校長(約10年間位は変わっていないらしい)が骨董品集めを趣味にしているから。家に置くには大きすぎるから演劇部に寄附したんだとか。名目はそうでも不要品を預けたといえるような気もする。


「まったく番参さんったら」

 私がそう言うと、先輩に訂正された。

「あらあら、違うわよ。番参さんは理事長だからね。気をつけなきゃいけない間違い」

 私が思い違いをしたのには訳がある。普通学校の『校長先生の話』をするその役目を理事長がやっているからだ。番参理事長は知識豊富で時には体験談を交えて話してくれるからそん

なに退屈じゃない。

「いけない、校長先生の印象が薄くて思い出せない」

 私は少しでも悪いなと表情に出してしまっていた様だが、真奈先輩に「それも無理ないわ」となぐさめてもらった。


「あまり表に出ないのよね、あの人。校長先生の仕事じゃない庭いじりとか、設備の点検をしてるから」

 そういう仕事をしている50代位のおじさんは何度も校内や校外で見かけてる。生徒達とも親しく接してくれる用務員さんだと思っていた。まさか、あの人が校長先生だったなんてね。

「水晶球占いについての話に戻すわ。この球の素材で知っている事ある?」

 私は興味を持って調べた事がある。覚えている事で答えた。

「水晶より、黒曜石とかが良いらしいですね。場合によってはガラス球も使いやすいとか」

 結構知っているのねと感心している様子の真奈先輩。それじゃ少し「専門的な事を」と話し出す。

「簡単にいえばスクライングって技術があるの。黒曜石とかの中心をながめてみると視点が合わない。そういう状態になった方が直感とか閃きが浮かぶんですって」

 こういう占いをする時って、少しでも悩んでいる事が頭に浮かんでいるものだ。無意識でも考えているから解決策が浮かぶ。どちらかといえば占いを信じない私でも良いきっかけになるのは否定しない。



 本日は2話更新です。

良ければ15時以降に読みに来て下さいねb

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