アレンジ特訓 10回目 2
入学金の一部とイベント行事積立金から出しているらしいし。生徒達はすでに先払いしている状態って事になるね。
「このボウリング大会について説明をする。レーン数は10、1グループ5人で約1時間。20人なら3時間30分位になるか。一応午前中は団体戦で午後に代表者による個人戦をしてもらう予定だ。楽しんでくれ」
威厳のある声のためか、生徒達の大半は神妙な顔つきで聞き逃さまいとしているのがわかる。部活の顧問をしてもらっている調料学園料理研究部の4人だけはいつもの事で慣れている感もあるが。
「補足じゃ。本日は1年2年で合同グループを作ってくれい。5人じゃから間違えないように。2年生は1匹狼タイプな後輩を見つけたら声掛けしてやって欲しい。基本は自由に仲良い者じゃがな」
私と奏はもちろん先輩達に誘ってもらった。もう1人はいつぞやの気さくな女先輩みたい。2年生3人と1年生2人が基本みたいだ。
「おはようございますだね後輩ちゃん達。私は真奈と風良君の友達、楽園笑美子っていうの。よろしくね」
自己紹介をしてくれつつ軽めのハグ。ちょっとビックリしたけど初対面の頃からフランクに接してもらっていたからやっぱりという気持ちもあるんだよね、奏は驚きで目を丸くしているけどさ。
「また~~。気に入った子に過剰スキンシップする癖、笑美の悪い所よ」
控えめなごまかし笑いをしている所から自分でも制御しきれない行動なのかも。でも良く話を聞いてみると、友達間だけとの事。先生とか知り合い程度の人達には普通の接し方をして
いるそう。
「真奈の可愛い後輩の話は良く耳にしているから他人に思えなくて。フレンドリーすぎてごめんね」
私自身はフレンドリーに話をする関係は嫌いではない。初対面で驚きを提供されていた奏も結局は笑美子先輩と仲良くなり出しているし。
「さて、団体戦の際にこの特殊ルールを採用してもらう。某テレビ番組の英語禁止ボウリングと同じ様に英語禁止。さて、君達は会話を続けられるかのう、楽しみじゃ」
英語禁止ボウリングはつい英語を使っちゃった、罰金だったな。でもここでのペナルティは流石にお金じゃないみたい。学園専用ペナルティは学園長特製の調理師免許試験対策特別授業(上限60分)だって。一番英語を使っちゃったグループだけらしい。役に立ちそうなのにペナルティなのはスパルタだからだろうと真奈先輩から聞いた。あまり怒られ慣れていない私達の世代だから怖さが先行しちゃうんだよ、ペナルティを受けないよう頑張ろ。




