アレンジ特訓 9回目 3
私は真奈先輩がまな板が傷つく恐れうんぬん話をしているのにその通りだと反論出来なかった。家の台所で長年使っていたらしい木のまな板を最近切ってしまったばかりだから。
そんな話は置いといてかぼちゃを楽々切る方法だよ。道具1つでやわらかくの覚えはあるんだけど何だったか。
「えっとですね、圧力鍋でコトコト煮こむなど煮こむ方法でしょうか」
そういう方法が思い浮かんだんだねとうなずく真奈先輩。でも、それより簡単便利な方法があるのよと教えてくれた。
「電子レンジでやわらかく出来るわ。大きさは1つなら10分位で半分なら約5分くらいじゃないかしら。耐熱皿に入れてね」
有音ちゃんがカボチャ料理にするならこっちはタマネギを活用した料理を作りましょうと真奈先輩が言っていた。私は話を続けてメインの魚介はこれにするというのを持つ。今朝、魚市場で購入してきた魚を見せる(一時的に家庭科部の名札付き専用冷蔵庫にしまっていたもの)
「筋子を使います。これは生で新鮮だと思うやつなので味付けは自分で、ですね。漬け汁で5時間以上なので昨日冷蔵庫に入れておきました」
「なるほどね。私も今日食べる用に昼休みに下ごしらえしておいたものがあるわ」
2人とも料理に取り掛かった。まずは私が手をつけようとしている方からね。冷やした漬け汁を用意、小鍋に酒大さじ4とみりん大さじ1で加熱。アルコールの匂いを感じなくなったかなという所でしょう油大4をひと煮立ちさせれば準備完了。続けてぬるま湯を別鍋に。そこへ塩少々、鍋に筋子を入れて皮からイクラをほぐしていく。
「お湯が熱い程、ほぐしやすいですよ。でも膜の問題が有りますからぬるま湯がベストに感じました」
「有音ちゃんは食塩水で膜を取り除く方かな? 一時的に白くなるけど戻るのよね。慣れるまでどこか作り方間違えちゃった!? と思っちゃったんじゃないかしら」
私は先輩に問いかけられた話がその通りだという所で相槌を打っている。しかし、作業をする手は休めないようにしていた。
ザルで水を切って(冷蔵庫を活用しよう)ここまででほとんど作る過程は終了している事を伝え、作業の仕上げに朝、入れておいたイクラの入っている容器を開ける。
「ザルで汁を軽く切れば完成ですね。長期保存したいならしょう油と酒大4、みりん大1に昆布を加えて下さい。これだけです」
おかずはカボチャを焼いて作る料理のようだ。これは結構楽なので先に私と一緒に真奈先輩の料理を見てみましょう。
「有音ちゃん、おかずを作る前に私が用意するメイン料理を見に来たのね。それじゃ、ししゃもをくずさずに焼いてみせるから」
「そんな方法があるんですね! 興味津々なので学ばせてもらいまーす」
ししゃもはグリルだと身の中にある卵が爆発してぐちゃっとなってしまいがち、クッキングシートを用いるしかないと良く知られている方法はこれだ。私は身をくずさない方法だと聞いてその便利技を覚えたいと思った。
「フライパンで温めるだけだから大抵身がくずれてしまうのよ。フライパンを使う時はこうやってやるのよ」




