アレンジ特訓 7回目 4
先輩があじに甘酢あんをかけている姿を見た私は見て楽しませてもらい、食べてみたいという気持ちを匂いからもらった。
「お互い食欲のそそるあじ料理を作っちゃったわね。はい、私のをどうぞ。私はまずバター焼きをもらうとするから」
作った料理を交換する私と先輩。さて、食べさせてもらうとしようかな。
「この食感が良いですね。そして魚の身と野菜に絡むこの甘酢あん、とろとろとしていて美味しーい! って感じですよ。ご飯とか汁物といった和食系が欲しくなっちゃう」
私の感想を受けた先輩、いっけなーい私ったらドジみたいなジェスチャーをした後で冷蔵庫からもう1品取り出したのがわかった。
「これも食べてもらうんだったわ。シソに白ネギ、白ゴマ、しょうがを好きに散らして食べてちょうだい。シソを多めに入れるのをすすめるわね」
ダシがかかっていて、あじの干物と野菜が混ざっているご飯、丼系として考えればいいかも。まずは食べてみた方が早いか。そう考えて少しかきこむ。
「おかゆみたいな食べ方でいいかなって食べてみましたけど、結構さらさらといけました。先輩の言う通りシソで風味を増強した方が良いかもしれないと思いましたね」
私が先輩の料理に関する感想を述べたので今度は私に「料理の感想」を聞きたいな。何か言ってくれそうなので待ってみた。
「バターって素敵よね。少なめでも味が良く出て、からんで。好きな人はとことん好きだって思うわ。私としてはタレの様なものにレモンドレッシングの方が好み。さっぱりしているもの。でもバターにマヨネーズという濃い物コンビはたまになら良い感じ。私は真奈先輩の意見に共感した。
こちらもお願いしますとあじの南蛮漬けを差し出す。先輩が一口食べて美味しさからにやけたのがわかった。
「小あじだっていうのも理由かもしれないけど、食べた時のサクサク食感っぽいものを感じたわ。野菜とレモンに酢。これがあってこそ揚げ物なのにさっぱりしている印象を持つんで
しょうね」
料理を作り、味見をして食べ終わった私達は褒めあっていた。旬な魚を美味しくする目標は達成出来たのである。こういう調理法が良いかもと浮かぶのは私にしても先輩にしても料理を作り続けている証拠になる。お互い自分がすぐに浮かばなかった方法でまた別の発想が出る事もあるだろう。部活でやる事も結構な満足で終わらせる事の出来た私は用事があるので先輩に一礼してから部室を後にした。
帰宅中の電車内で私は先輩の作ったあじ料理について思い出していた。今日、作ってもらった2品は確かに美味しかったけど先輩が魚介系が得意かどうかの決定打ならなかったと。
近い将来、先輩が自信を持っている一品を知りたいな。




