アレンジ特訓 7回目 1
料理研究部の活動で真奈先輩と一緒に家庭科室でアレンジ料理をするのは久々な気がする。本当にいつ以来だろう。確か真奈先輩に風良副部長との料理エピソードを聞いて、みんなで集まって『おにぎりレシピ』を作りあって、奏が【丼について】丼の極意めいたものを教わって気づいて実践してだったな~。そして前の活動の時は親友を救う方法を料理の力で成功させたと。考えてみれば私より奏に手柄を……手柄うんぬんは冗談だけど私自身が中心で料理作り出来るようにならないとなあ。
思い出した話だけど、前後があっても気にしないで欲しいな。
部活休みとか入れると、真奈先輩とアレンジ料理を作りあう通常活動2ヶ月ぶり位だ~。当然その間もいろんな料理を家で作って《特訓して》来ているんだし楽しく美味しいアレンジ料理を作れますように。あっ、先輩いるみたい。元気よく挨拶しよっと。
「真奈先輩、おはようございます」
「有音ちゃん、今日は久々にアレンジ料理が作れそうね」
先輩も私と同じ様な考えを持っていたみたい。料理は作ってなんぼという事かな?基本の調理道具――鍋(小鍋と平均的な鍋)、フライパン(中華鍋含む)に電子レンジなど。主に使うかもしれない調理道具は使いやすい位置に用意されていた。
「今日はねっ、魚市場であじが安い上にサービスまでしてもらっちゃったわ。あじ料理のアレンジというより、あじでおかずを考案するところからね」
真奈先輩は両親と一緒に、調料学園入学後から早朝開店の魚市場へ結構な頻度、行く様になったらしい。今まではあまりそういう所が目立っていない気がするけど魚介類料理が得意なのかも。
「あじといえば、たたきに焼き魚・ムニエルとあじフライ、干物とかでしょうか」
あじで何を作るか考える、有音は何を作ろうか考えている段階で楽しくなってきた。真奈先輩も煮る焼く揚げるなどどれが良いか、献立はどうしようかと紙に書き出していた。
「有音ちゃんの言うメインどころも良いけど、私はあまり見かけないあじ料理を作ろうかなって思ったわ」
どうやら真奈先輩も何を作るか決めて、料理を作る準備にとりかかるみたいだ。私も決まったんだから作りに行かなきゃと持ち場に行こうとした所で先輩に引き止められた。
「ちょっと待って。これは刺激になると思うし、私の作るものをしばらく目に焼き付けてちょうだい」




