表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/135

有音の親友に出来ること 18

 新田シェフは奏の作った料理で起きた一部始終を見て思っていた。"技術でも技でもない……食べる人間の気持ち!" 『それこそが料理の原点』それを見落としていたとは――

そしてそれを……この中学生に教えられるとはね、と。


 僕は新田シェフが大切な何かに気づいていそうだったり、谷川さんの母親が考えを改めてくれそうな姿を確認して良かったなと思う。

(私も……何も気付けなくて……悪かったわ……りんか)

 何よりも有音が親友の谷川さんと喜びあっているのがとても良かった。

「良かった!! 良かったよ~、鈴歌っ!!」

「うん!! 有音と奏くんのおかげだね!!」


          ◇         ◇         ◇

 食事が取れるように戻って、健康的でスレンダーな体つきに回復した谷川さんは大会に間に合った。しかもちゃんと大会新記録を作るくらいの体の絞り込みを並行でこなすくらい。もちろん僕達は応援席最前列で応援中。

<女子800mメートル走決勝、ラストスパートで他選手より速く……トップへ。大会新記録で谷川鈴歌、今ゴ~~ル!!>

「すごいっ!! 鈴歌ちゃんやったねっ!!」

「鈴歌……!!」

 谷川さんがコーチの方へ走って行くのを放送席の放送委員が実況する。

「耐え忍んだ成果だな!! 谷川っ!!」

<コーチに向かい……>


 しかし、実況者とコーチの予想に反して谷川さんが応援席まで駆け寄っていった。

「え!?」

 抱きあって喜ぶつもりだったコーチにとっては間抜けな状態。

「へっ!?」

 !? 谷川さんが僕の方へ走って来たとわかった時には抱きつかれ――。僕はとても驚いた。

「ありがとうね、奏君」

 更にほっぺにキスまで。

「え?」


               ◇               ◇

 有音は親友の積極的なアピールにも声も出ない。当然応援席で応援していた男子生徒を中心に顰蹙ひんしゅくを買っていた。

「何だ何だ!?」 「アイツは誰!!」 「何で鈴歌ちゃんがあんな奴に!?」

 奏は一時的に舞い上がってしまい、思考が働かなくなる。

「奏くん」

 甘い声を出して奏を抱きしめる鈴歌を有音が止めていた。

「ちょっと鈴歌!! 鈴歌。離れてよね! 鈴歌!!」



 この番外編のお話、長くなったな~。


お時間があれば感想がほしいところです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング 頑張るあの娘を応援してね^^
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ