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有音の親友に出来ること 12

 偶然じゃない、こういう理由だと僕は2人に伝えた。谷川さんの母親からアルバムを見せてもらって美味しそうに食べ物を食べているシーンの写真エピソードを聞いたりしたんだよと説明する。

「実は昔、鈴歌ちゃんは田舎のリンゴ農園で良く食べさせてもらっていたんだって。家族と一緒に……そういう話をしてもらっていたから!」

「なるほど~」


「どんなに体調が悪くてもそれだけは食べたっていう僕のりんごシャーベットと同じで、好物のリンゴとパスタの組み合わせならって――この町のリンゴ農園の人達に事情を話して採らせてもらったんだ!」

 僕はこれならと思っているので料理をすすめた。

「だから……さ!! 食べてみてくれないかな!」

「奏」

 谷川さんが興味を持ってパスタをフォークに巻き、匂いをぐ。

「フルーティ……」

 どうやら有音の元にも香りが届いていたようで

「ほんと……りんごとりんごを使った合わせドレッシングの香りが鼻を抜ける感覚が!!」

 

 谷川さんがパスタと具のバランスについて言及した。

「このりんごの果肉、見ただけでシャキシャキしてそうってわかる! それに鶏ササミ!? くるみ!?」

 僕はこだわった点を強調する。

「うん……りんごの甘さやクルミの味が鶏ササミの淡白な味を引き立てて、一緒に食べると異なった味が楽しめるんだ!! 相性の面も良いんだよ」

 見ている有音が食べたそうにしている。

「美味しそうでたまらないわ……」

 一口でも食べてもらえればと見ていたのだが……


「ゴメン……!! 食べられなくてっ!!」

鈴歌りんか!?」

 僕はこれならと思っていた分、何が足りなかったんだと疑問に思った。

「ダメなの!! でもありがとね有音! 奏くん」

「そんなはず……ぼ、僕は。違うパスタを作らせて! 今度は!!」

 僕は引っ張られた、誰にと思ったら谷川さんに後ろから抱き寄せられる。

「え!!??」

「鈴歌……!?」

 

 僕はどうしたのと谷川さんに声をかけた。

「谷川さん……?」

 気持ちは嬉しいけどもう私のために作ってくれなくて良いという様子の谷川さん。


「もういいから。そうやって思いやってくれるだけでお腹いっぱい……奏くん……」

「え……」

「ごめん迷惑かけて。私はもう平気だから……」

 谷川さんが心配しすぎないでと僕達に笑顔と言葉で訴えてくる。

「今回は完全休養に当てて、次の大会を目指すわ!!」


「谷川さん……」

 吹っ切れたという表情を見せる谷川さん。

「鈴歌……」



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