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有音の親友に出来ること 6

「わ~……薄い緑の」

「ポロポロなトマトスパゲティかしら」

 ボロネーゼソースがパスタと絡んでいる所を見てから――

「そ……それじゃっ!!」

「いっただっきまーす!!」

 まずは有音が食べれるだけフォークで巻いてすすった。それから口の中のパスタを味わう。


「うわぁっ、美味しいわ!! ひき肉の味がしっかりしているのにトマトソースも主張して旨味が広がってくる」

 有音の感想を聞いた後に僕は僕で食べた感じを口にした。

「これ……見た目はトマトとボロネーゼパスタだけど……ただのボロネーゼじゃない。フレッシュなほうれん草とかもふんだんに使用して……。ボロネーゼの主張が強い味にほうれん草とシソをからめたら味の変化を楽しめるような作り方をしているのか!!」


 褒められて悪い気のしない新田シェフが料理の説明を始める。

「そうなんだよ。これが僕の十八番おはこ、緑のボロネーゼ風」

 この組み合わせでの作り方は想定外だったと僕はすすり終えてからつぶやいた。

「まさかほうれん草とシソで……彩りとちょっとした味の変化を楽しめるなんて!!」

「ソースがからんだパスタ。かみしめる程にお肉の旨味だけじゃなくて野菜とかの風味が口の中を包みだす!!」

 そして僕と有音が声をそろえる。

「風味最高~♪」


 これだけの事をしてもらえているなら問題なさそうと僕と有音で話しかけているのだが

「凄い、凄いよ!! これだけ美味しく料理を美味しく食べさせてもらっているんだから。やっぱり谷川さんは大切に思われているんだよ!!」

「学校中の期待を受けているもの! この娘《鈴歌》はオリンピックの夢にもっとも近いって……」

「このパスタなら食べてエネルギーになりそう。すぐに調子も戻ってくるはずだって思うよ」

「ごめん、私達……無用な心配で来ちゃったかな」

 谷川さんがフォークで巻いたパスタを口の中に入れようとしない。どうしたんだろうか? 不思議に思った有音が聞いていた。

「鈴歌? 食べてないみたいだけどどうして? 食べた私が味の保証をするけど……」

「わ……私……」

 食事テーブルに突っ伏した鈴歌りんかがテーブル上のパスタを滑り落としてしまった。続いて鈴歌本人も座っていた椅子ごと倒れてしまう。

「谷川さん!?」

「鈴歌!?」

 今度こそ食事を取ってくれるかなと思っていた鈴歌の母親がショックを受けていた。

「!?」



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