表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/135

有音の親友に出来ること 3

「ありがとうだって……素敵な子だな~」

 小太り君と角刈り君が恨みがまそうにしていたが、僕には何故なのかわからなかった。


 友達と別れた僕はまた彼女の姿を見たくなって約30分後に再びグラウンドに戻ってきていた。そこで幼なじみの有音に肩を叩かれる。

「あれ~、奏。覗くような見方じゃなくて堂々と見たら?」

「うわっ」

 あらぬ噂をされそうな言い方をする意地悪な有音に適切な返事を返せない。僕はこの場を乗りきる正しい選択肢を考え続けてしまっていた。

「あ……有音!? ちがっ……だから……」

 僕が見ていた方を見つめる有音。

「私の親友のピンチを助ける手伝いを求めている時に! 誰見てたのかなどれどれ~?」

やっとの事で僕は否定の言葉を発する。

「違うよ~、理由があって」

「奏はどの娘を見てたの~? あっ、鈴歌じゃないの!? 奏、鈴歌の事を覗いてたんだ?」

 僕は有音があの美人と仲良いのかと気づいて偶然だとバレないよう話を合わせた。

「有音、あの子と友達とか!?」

「小学校からの付き合いってやつよ! それはそうと覗くように見てたのは……ムッツリ!!」

 軽蔑の視線を浴びせられてしまっていた。少しでも違う考えを持ってくれないかなと訴える。

「違うんだってば!!」


 まだ僕を追求したそうな有音だったが、陸上部の顧問の声にそっちの方を注目する。

「タイムが伸びるどころか……遅くなってしまっているな。一ヶ月後にはオリンピックをかけた重要な大会があるんだぞ。どうしたというんだ?」

「鈴歌……!?」

 有音が心配そうにしていたので、少し前から陸上部を見学している間に入ってきた情報を教えた。

「ここ10日くらい前から早まるべきタイムが遅くなってしまっているらしいんだよ……」

 まだこの場を去れずに様子を見ている僕。有音の「スランプとか……?」というつぶやきにも否定出来ずにいた。どうも上の空というか、無気力に陥っていそうな様子で顔色が良くない点から体調不良かもと考える。


            ◇


有音ありねサイド~


 どんな形にしても奏が鈴歌と知りあった形なのは都合が良い。私が手助けしてあげたいのはさっきの子なんだよと一緒に下校する際、話した。

そして翌日――

鈴歌が心配でいてもたってもいられなかったので私は奏を誘って彼女の家に向かうと告げる。奏はそこまでしなくてもという感じだったけど、それくらいしないとダメな気がすると丸め込んで少々強引に連れて来た。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング 頑張るあの娘を応援してね^^
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ