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有音の親友に出来ること 2

 その子の平均身長は同学年女子《中学1年生》の他の子より高いようである。まだ柔軟性のある体つきながらも運動に必要な筋肉は発達しており、無駄のないプロポーション。いわゆるスレンダーな体型で色気も出てきている気がする。早い話が歳不相応なセクシーボディだ。

(おぉっ!! あの娘が陸上部の期待株。全国大会に出場して当然で優勝候補と注目されている谷川鈴歌ちゃん!? 背も高くすらっとしていて美人だ……!!)

 陸上部の部員の子達の応援にも熱がこもっているのがわかる。手の振りだけでなく、足の動きを見ていても走りに必要な事以外あまりしていなさそうと素人でもわかった。

(わわっ、なんて華麗は走り姿なんだろう!! すごいや!! 速いからか周りの人がスローに見える!?)

 かなりの速さでのゴールだという理由からか、陸上部の娘達の歓声がすごかった。自然と彼女らと男子体育教師顧問の声が僕の所まで届いてくる。


「凄いわ!! 谷川さん!!」

「昨年の高校生日本記録保持者と同タイムだ! オリンピックも夢じゃない逸材だな!!」

 ちょうど僕達のいるグラウンドの方からは谷川さんのボディラインが分かってしまう感じだ。

「うお~~っ、やべ~!!」

「色気充分な体つきだよな~っ!! く~っ」

 僕をここまで連れて来た2人の友人はエロい欲望に忠実なコメントをしているが、僕自身は得意な何かがある娘はうらやましくてただただ感嘆してしまうのであった。

(……す、すごいなぁ)


僕なんかは何の才能があるかまだ自信を持てていないけど、あの子のように好きで練習していて才能のある人は楽しいんだろうな――そんな考え事をしていた僕のすぐそばにあの子が。

「ねっ、君の後ろにある荷物置き場から黄色いタオルを取ってくれる?」

 急に声をかけられた僕はしどろもどろになる。「え!? ぼ……ボク……っ!? うわっ、わっ、たっと。タオル……タオル!!」などと焦っている姿を見せてしまった。どうしよう!! ていうか僕が話しかけられて!? とか思いながら素敵な体つきに見惚れながらも求められていたものを手渡し忘れていたとばかりに渡す。

「は……はいっ。これっ!!」


 挙動不審状態になってしまった僕は相手が僕の動きをどう思ったか気になってそ~っと確認。つい小笑いしちゃったという感じの笑顔だから意外に好印象かもしれない。

「どうもありがとっ!」

 陸上部の期待株の子に目と目を合わせてお礼を言われた。それが嬉しかったからか僕の心臓の鼓動が高鳴った。

「さあ! 休んだらもう一本いこう~」

 微笑んでお礼を言ってもらえるなんてという感動めいたものを僕は感じ取っている。


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