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有音が目撃した奏の成長 6

――炒飯やピラフなどという味が付いているご飯料理


――カレーで味のアクセントをつけた


――半熟卵なので自然にご飯と一体化した


――トドメとばかりに鶏そぼろがあふれ出る肉汁が


――複数の具がそれぞれの味を主張する、活かしあっている


『カレーそぼろ丼』が評価されていく。番参が詳しく解説を始めようとしていた。番参の解説前にそこだけは先に見て欲しいと、奏がご飯粒を箸でつかんで状態の確認を求めた。

「お米の一粒一粒に美味しさの汁が染みこんでいくように努力したんです!!」

 解説を一度遮られたものの、奏に「それでは解説を」とお願いされたのでこれは伝えた方が良いだろうといった感じにこの丼についての詳細な解説を口にした。

「なるほど……このひき肉は塊の肉をこれだけ細かくするという手間を行ったみたいだのう。当然表面積は増えて鶏の旨味や脂の美味しさをより濃く感じるようにした」

 話を切りの良い所まで続けて、一呼吸置いてから再び話し始めた。

「炒飯またはピラフに、ひき肉の肉汁と半熟卵にカレーが丼全体にじわじわ広がっていく。更にいえば今回の丼は汁をよく吸うようにご飯が硬めに炊いてあったという知恵が見事だったぞ!」


 これは大きく喜んでいいでしょとばかりに奏へ大成功を伝える有音の明るい声。

「やったわね、奏!! 挽回どころじゃないわよ!!」

 体調が回復しつつある奏の母親が強く抱きしめたりもした・

「良くやったわ奏!! 奏!!」

 まだ実感のわかない僕は両手を見つめて止まっている。

(やった……僕が……?)


 実感のわかない様子の僕の背中を有音が強めに叩いてきた。

「どうしたの、ボーっとしちゃって!! もっと喜んだら!!」

「!?」

 僕は評価してもらえたんだなと自問してしまうくらいだ。

「やった……んだ僕」

 満面の笑みで有音が賞賛してくれた。

「そうよ!」

 一気に実感が全身を巡ってきた僕は……おじいちゃんの名誉も守れた、そのように表情を明るくさせていく。

「やったー!! やっった~~~~~~~~~~~~っ!!」

 最終的に喜びを爆発させた。

この出来事が、僕が自分で進路を決める際に大きな影響を及ぼす事になる。



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