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有音が目撃した奏の成長 4.

   ◇          ◇           ◇  

 奏ががっかりさせてしまった祖父と親交の深い番参を母親から連絡先を聞いて呼び出した奏。

「そちらからの呼び出しに応じたんじゃ……わしを『失望させる丼』を出したら……わかっているかのお・孫・さ・ん」

 相手の都合なんか考えずアポイントメントを取った奏の元へ不愉快そうながらも来てくれた。否応にも奏は緊張感を味わっている。      

「わしをまた『失望』させたら『君の祖父の顔にぬぐいがたい泥』が塗られてしまうと心せよ!!」

「はい! 重圧に負ける気はないです!」

 有音と奏の母親が本当に平気なんだろうかという表情で見守っていた。


 まずは白菜やチンゲン菜、にんじん、しいたけなどの中華料理と相性の良い野菜などとウズラの卵にシーフードミックスを食べやすく切ったり一部の食材はそのまま鍋に入れたり

する。そのあんもしっかり味付け(塩小さじ半分、しょう油大さじ半分、こしょう少々)をして。

 他にも味を染み込ませやすい食材とかレトルト食品と冷凍食品も有効活用しているように見える。

(ここでふんばらないとおじいちゃんの期待にも答えられないし番参さんを失望させてしまう。許さない! そんな事はさせないぞ)

 しっかりと丼に使う具に強火で火を通していくかなで。真剣な表情で具への火の通り加減を見極めようとしていた。


「完成です!!」

 気が散っては良くないという事で遠くから見守っていた奏の母親と有音は普通の中華丼な見た目のせいか工夫がわからない。

「……」

 番参がお手並み拝見とまず丼の見た目に何かを感じ取って黙りこむ。何を思ったのか丼の中央に穴を開けた。

すると――

 ご飯自体に味付けされている炒飯や冷凍のピラフにまずカレーが流れこむ。更に半熟状のゆで卵が入っていたらしく黄身がご飯などにからんでいく。鶏そぼろご飯のひき肉からも肉汁が出てきて具とご飯に一体化していった。


「これだけでもよだれが出そうな程においしそ~」

 有音が丼への期待感を口に出した。そんな彼女が丼を見続けていると更なる変化が!

「まだ終わってない!! 見てよ!! カレーと中華あんに肉汁があふれるかのごとく……丼の上に見えてきたから」

 基本は中華丼に見えるのかもしれないが、それ以外のご飯と具のチョイスの絶妙さで工夫をこらした丼が出来あがる。

「カレーに半熟卵、鶏挽き肉の肉汁、中華のあんがご飯のいろんな部分に染みこんでいってる……」

 思わず誰とは言わないがノドを鳴らしてしまう人がいるくらいの出来栄えのようだ。しばらく丼の様子を眺めていた番参が奏の母親と有音が見守っている中で箸に手を付けて食す!!

「………………」

 しばらく味わうように番参がゆっくり咀嚼そしゃくしている。奏はどんな言葉を言われてしまうのだろうかと気が気じゃない状態であった。




 肉汁がどうとかは過剰表現かもしれませんね。美味しそうに感じる表現としてお考え下さい。

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