アレンジ特訓 7回目の予定だったが変更??
真奈先輩の昔語りが始まります
今日もまた真奈先輩と料理特訓で1週間1回の曜日がやって来た。何曜日かは今まで触れてきた覚えはないよね、金曜日なんだよ。
「今日は掃除当番も関係ないし、芽生ちゃんとかは部活やら用事とかで話す相手もいない。さて、それなら私もたまには早く部活に行っちゃお」
本来なら部活の部室までは一緒に行きたい奏は掃除当番なんだ。あいつにもクラスで同性で話す友人を大切にして欲しいし。実は最近「恋人登場~~」とか奏の後ろの席のお調子者がからかってきて困っている素振りを見せるから遠慮しているって事情もあるんだけど……。
部室に向かう時に家庭科室のある階の廊下で真奈先輩と会った。
「こんにちは、先輩。大体いつも先に待っていて料理アレンジ特訓の準備をしてくれている時が多いから、それだけ早く来ているのかと思っていました。その通りだったみたいですね」
続けて今度は素朴な疑問をぶつける。
「そういえば先輩ってクラスの人とかの付き合いを放課後にしないんですか?」
「あら、今日は早かったのね有音ちゃん。クラスの子との付き合いは休み時間にしているわ。みんなは私の工夫で理解しやすくしている授業ノート目当てだったりして!?」
真奈先輩がクラス内で良好な関係を築いているっぽい級友の姿が容易に想像出来た。しかもわざとらしい言い回しって事は友達でもあるんだろうな。
「って話し込んでいたら家庭科室を素通りしかけちゃったわ。有音ちゃんったら教えてくれなくっちゃ」
「すいません。部室到着までに話が終わるだろうなって読みが外れちゃいました。その結果です」
失敗失敗といった表情をした私に、真奈先輩がおちゃらけて軽く私の左肘付近を小突いてきた。
「今日のアレンジ特訓なんだけどね、料理の参考になりそうな風良君との思い出話でもいいかしら?」
という事は、アレンジ特訓自体はおやすみという事になりそうかな。料理にまつわる想い出話なら私と奏にもあるから話していいか許可をもらおっと。
「料理で人の心をって話は私もありますよ。今度話しましょうか?」
「ええ。お願いするわ。早速私からね」
ここから先は真奈先輩と風良先輩の話になるから2人の視点でしばらく楽しんでね。
◇
あれは確か私達が中学1年生の頃の話。その時期に私、いろいろあって風良君の所へ行ったの。彼は自宅で課題に迷っている様子だったわ。
「ど……どうしたんだ急に……」
「あんたのおばさんに頼まれたの……何品も料理を作る課題でどうしたら? とか悩んでいるのが心配だったんでしょ」
その時の風良君はもじもじしていて、かっこ悪い場面ばかり見られている気がすると顔に書いてあったわ。でも私は自信を持って料理している風良君が好きだから黙っていられなかったのよね。
視点変更が多いのも問題な気がする。でもそういう回想ってどういれればいいかわからないし……。今は(だいぶ先まで?)このままで。。




