アレンジ特訓 5回目 3
「有音ちゃん、慣れてきたからそんなに私がアドバイスをしなくても大丈夫になってきちゃった?」
「いえ、そんな事は。見守られているみたいでミスしそうな場合は指摘してもらえると考えれば安心出来ますし」
どちらかといえば、作る機会の多いレタスを使った料理である。2人とも相手にどう評されるのかドキドキだ。私の方がまだ料理経験不足からドキドキ具合が上だと思うけど。
「味見させてもらうわね。(舌でトマトなどの野菜を転がす感じに味わいながら)野菜とこのソースの味わいが楽しい感じかしら。ゴマの風味にマヨネーズの主張、他の調味料もどこか感じるという事で」
キリの良い所まで食べた真奈先輩に今度はレタスとベーコンの炒めものを手渡す。
「少し卵炒めの向きもあるけど、バターの絡んだ加工肉に舌鼓を打っちゃうわね。レタスと卵にはどちらかといえばしょう油と塩こしょうの味がして味の変化がいいかもー」
私は真奈先輩に、作った料理に何かを感じてもらっているのが嬉しい。こちらも食べさせてもらおうかと思って真奈先輩の向かいの席で食卓準備をさせてもらぅていた。
「先輩のサラダ、シンプルですね。どんな味かな?」
まずは1口、食べれるだけ入れて噛んでみる。
「ごま油って中華食材を想像しちゃいますよね~。他にも例えばゆで卵を入れた後の海苔の風味が良いな」
続けてレタスのスープをすすった。
「仮にサラダの味が濃い目だったとしても、コンソメの味わいやレタスのシャキシャキ感・ピーマンの食べた感に加工肉の旨味……って奥深いですね」
今回料理について先輩と話していてわかったのは2つや3つ料理を作った場合は違う味にした方が良い《ベスト》ということ。濃い味の調味料と薄い味の調味料のバランスはもっと知るべき事なのかなと改めて理解し直した。
「味のバランスは自然と意識できるようになるわ。食事休憩の今の内に野菜サラダに使えそうな食材を言っていきましょうよ」
私は先輩に問われたのでいくつか候補を挙げてみる。
「えっと、温野菜と炒めベーコンにパプリカ。他には焼き豚に玉ねぎとほうれん草を加えるとかですかね」
先輩に私の着眼点はなかなか良いと褒めてもらっちゃった。
「私ならパンプキンマッシュにチーズをからめてみるとか、スモークサーモンの塩けにキャベツとコーンの甘味とかかな」
基本の野菜サラダだけじゃマンネリ化しちゃうもんね。あまり作らなくなるのは野菜たっぷり摂取できなくなるから良くないよ、いろんな野菜の組み合わせを試して違うサラダにしちゃお? あなた好みの野菜サラダが出来るかもよ。
最近は奏達と帰りのタイミングが合わないのが残念。私と違って奏は私を待ってくれないから。




