アレンジ特訓 4回目 4。
真奈先輩が机の上に生春巻きを出した。小腹でも空いちゃったから食べるのかなと思っていたが、生春巻きの材料をきれいに開けて皿に移していっている。
「私のアレンジ麺、生春巻きの中に入れて食すのが美味だったりするのよ。手間の少ない方法の一つね」
生春巻きの材料は真奈先輩がタッパーに入れて持ち帰るようである。家庭で中華料理に混ぜるつもりだって。
2人とも作り終わったら、後は感想を伝え合うくらいだ。熱いスープの内に食べた方が良いと思われる真奈先輩のつけ麺からすすっていった。
「へ~っ。作り方を気分で変えてつけ麺といったところでしょうか。インスタントラーメンに付属のスープは全部使わずに味見しながら調節していった方がいいかも」
私の意見に真奈先輩がそれを聞きたかったのよという感じにうなずいている。
「そうなのよ、このスープは好みがわかれる感じなの。ちょっとした難点ね」
真奈先輩が6・7割くらいインスタントスープを入れて作ったつけ麺のスープは少し薄めでいいかなというつもりで作ってちょうど良い味わいな気がする。残りは味噌汁を作る味付けの一部にするつもりみたいだ(みそ味なので)味噌を使う量が減らせる効果がありそう。
「ひき肉やネギが麺とかなりからみあうようにする。このつけ麺の具はそうするのに工夫がいりそうだ」
つけ麺で良く聞く『スープ割り』まで私はしっかり楽しんだ。
「有音ちゃん、生春巻きの方はどうかしら?」
先輩が麺・ひき肉・ネギを入れ込んだ春巻きは空腹時には一時的に満足を感じさせそうな出来だった。
「お腹にたまるしっかり一品おかずって感じですね、生春巻の皮を一度はがして材料を変えてつめる、そして揚げ直す。皮のサクサク感がアップしてこの食感が好きな人には」
最近は私も工夫の努力を見せているけど、真奈先輩の一手間のレベルの高さには驚かされてしまう。その先輩がいつの間にか私の創作料理を食べ始めてくれていた。
「インスタントラーメンで焼きラーメンを作ったのね。それに目玉焼きを乗せることで一味違う」
それだけでも問題ないかもしれないが、インパクトやその他いろいろと足りない具材などをかけるという楽しみもありますと真奈先輩に告げる私。
「これをかけると具がたくさん食べられて良くないですか?」
「あんかけみたいにするのね。肉と野菜もバランス良く取れそうな感じだし、冷凍野菜ミックスの良い活用方法だったわ」
先輩に評価してもらった通り、私の作った「あんかけ風の焼きラーメン」は冷凍野菜の活用で思いついた料理アレンジである。私はこれからも新しく創作料理が思いつき続けられればいいなとこれからの自分に期待した。




