アレンジ特訓 20回目 3
「Wご飯でどうかと思ったけど、たまにはこんなメニューも有りかと思って」
こうして私と先輩がたこ焼き器で作るレシピ通りに取り掛かり始めた。
「まずは私から。アヒージョを作りますね」
具材はお好きなものを。例えばですが、エビやエリンギ・ナス・ミニトマト・タコなどをおすすめ出来ます。作り方はこう、たこ焼き器にオリーブオイル3分の1(1穴)その上にチューブにんにく1グラム<みじん切りやすりおろし、ガーリックまたは塩でもOK> 塩少々 そこに具材を入れて焼くだけ。
「お手軽なのって嬉しいですよね。先輩はその食パンを使うんですか?」
「ええ、そうよ。これで丸いフレンチトーストを作ろうとしているの」
先輩がたこ焼き器に流し込んでいるのは一般的フレンチトーストと同じ卵に牛乳、砂糖 一人6個食べると想定するなら卵2個に牛乳100ミリリットル、砂糖大さじ1くらいだと思う。
「食パンの切り方はサイコロをイメージ。それとね、パンの耳は小さく刻んで入れれば香ばしさが増すわ。好みだけど」
香ばしさがあるのが好きな方な私は作るとすれば刻んで入れるな~と思った。さて、先輩の手際を見るのに戻ろう。
フレンチトーストの下地に刻み食パンを入れてもうひと混ぜ。ここから注意、火の通りが早いのでスイッチの入れていないたこ焼き器プレートに少々サラダ油を塗る。下地は少し多め盛り。スイッチを入れたら加減を見て返す事。
「お互い作り終わったわね。さて、味見をし合いましょうか」
料理の香りの面では先輩のメニューの方が上かもしれない。だけど美味しさで負ける気はありませんと自信を見せた。
「どれどれ? 油揚げで作るとこんな食感になるのね。今度はこれ、たらこと長ネギのおかずを含めてしょっぱさでご飯が欲しくなる品々と。アヒージョは野菜か魚介類が取れる印象」
先輩から率直な意見をもらったので今度は私が感想を話す番。冗談のつもりで「太りそう」と口にしたら「ごめんね」と謝られちゃった。
天津飯は甘じょっぱさ それに、チャーハンの方は明太子の辛みとにんにくで食べる手が自然と動きます。この後で一口サイズの口に運べるフレンチトーストというのは何というか感謝的な?」
フレンチトーストの形は丸さがいびつだとしてもご愛敬。だけどねと、きれいなボール状にしやすい方法を伝授してもらった。今度試してみたいな。
きれいなボール状にする方法
いつもより卵を多めに。牛乳と砂糖の量を減らすのも有り。なかなか上手くいかない方達『習うより慣れよ』ですよ。
私は先輩に今回の6品は別々に選んだ方が美味しく食べられそうですねと提案。例えば、簡単天津飯にアヒージョと油揚げ餃子を合わせる。
明太子チャーハンにたらこと長ネギのしょう油和えという濃い味付けの後で一口で幾つも食べたくなるフレンチトーストといった具合に。
「部活は作りたい料理メインだから。それでも試合を意識するなら失敗ね。再考しましょ」
試合の勝敗を気にして作る作らないは今後考えるとして。部活は部活だしと割り切るのも手だけどと考えたりした。