アレンジ特訓 17回目 2
「さて、奏君達には注意されてしまうだろう点はわかるのかな?」
演劇部の2人は理解していそうなので奏は有音と一緒に答える事に決めた。
まずは有音が誰もがやってしまいがちな事を言う。
「良くないと思ってもつい、というのが刺し箸。箸でつかみにくくて面倒だっておかず類を刺す方法。それから手が届く範囲におかず皿がある、だから箸で寄せてしまう。これも注意されましたね」
彼女がいくつか思った話をしたので次は自分の番だと奏が伝えた。
「箸で人を指すなとか、食べたい物を決めてなかったから迷って箸をあちこちに動かす。箸を口の中に入れたら汚いと言われたりしましたよ」
普通の生活をしているだけでもマナーらしき物は学べるものだ。マナーの担当教員が覚えておいて損はないと和食のマナーを列挙した。
・刺し箸
火の通りを確認している様に見える。箸は挟み持つものだという事から
・迷い箸
見た目が美しくない。箸に食べ物のかけらがついていてそれが落ちたら何か嫌というのも有り
・寄せ箸
見た目が良くない、それに尽きる
・ねぶり箸
見てしまったら不快 それに尽きる
・渡し箸
ご飯食べ終わりましたの合図と受け取られるかも。地域によって縁起も悪い
※渡し箸 追加
葬儀の一シーンを注目すればわかる。
死者の骨を拾う時の動作とそっくり→縁起の問題
・たて箸
仏教徒の人達は特にわかる。強飯を出す時にそれを調べる様にという作法のなごり
・2人箸
大皿料理の時に注意。2人以上で同じ皿から取っているのは奪い合っているかの様だ。作法の問題
・そら箸
一度大皿から取ったおかずを戻す。何かついていた? と不快に思われかねない
・叩き箸
茶碗は楽器ではない。特にちびっこがやりがちなので何度も注意して学ばせよう
・涙箸
テーブルなどが汚れる
不快に感じる人も
「これだけあるが、ある意味では常識的な所作を何度も実践すれば自然な行動として表れてくるよ。では今日はこれで」
なかなか考えさせられる授業が今回の授業の最後のコマ。私達は部活日なので家庭科室まで足を動かした。