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アレンジ特訓 4回目 2

「しかし有音がうらやましいよ、平均点が高くて」

 いつ以来だろう。かなでと共通の話題をしながら家庭科室に行くのは。奏が何かを考え込んでいて声をかけるのを遠慮したり、用事があってとか都合が合わなくて一緒の行動がなかなか出来なかったからな~。

「何言ってんのよ、暗記メインだったから歴史や科学で満点を取ったくせに」

「いやーっ、まぐれまぐれ。でも相変わらず数学とか英語あたりは6割くらいだったから焦ったよ」


 テストの話題をしていた私達の所に芽生ちゃんが割り込んでくる。内心ではせっかくの2人きりの時間だったのにと思わないでもなかったが、それを少しも顔に出さず、ポーカーフェイスで芽生ちゃんにもテストの出来を聞いた。

「それで? 芽生めばえちゃんはどれくらい出来た?」

「聞いてよ。頑張ったのに前教科5割か6割なの~……今でこれはやばいよね」


期末テスト前には勉強会を開いて誘うからとなぐさめた私は、何かしてあげた方がいいのかなと迷っている素振りの奏に落ち込んでいる今はそっとしておいてあげてと内緒話をする。

「…………え~~と」

「平気。私があの子をフォローしておくし。奏、部活行こうよ」


 テスト期間中でも休憩しようとする空き時間に創作料理が思い浮かんじゃう事がとか、新しいちょい足しレシピが……などとあるある話を共感しあっている内に部室前まで到着して家庭科室とか低下準備室にわかれた。

「あら有音ちゃん、ゆっくりの参加ね。冗談だけど。私達の時間割に合わせてくれたのよねえ?」


 今日の部活動時間はいつもより遅くなってしまったので真奈先輩がすでに準備にとりかかっており麺を入れる自分が使う用のどんぶりも用意し終わっていた。でも夕方の18時完全下校時間までかかる事はないだろう。

「テストはどうだったの? 有音ちゃん」

 余裕を持っている方が良い発想を思い浮かべられる。そんな様子の真奈部長だった。

「ケアレスミスで惜しかったというところでしょうか。私はどうとでもなるんで苦手教科のある奏について相談しても?」

「今は得意教科を伸ばすのでも良いと思うわよ。夏休みとかに勉強の助言くらい可能よ、上級生だしね」


 自分で使う予定の丼は自分で用意した。普通にそのうつわを見ただけで今日アレンジするものの目星をつける。

「今日は休日のお昼とかによく食べる麺類、中国から伝わってきて日本の国民食化したあれですね」

 今回は特に隠すつもりがなかった真奈先輩が微笑みを作る。そして私達が座っていた席の隣にある物を指さした。

「そっちに何か? ……ってああ!」

 最初から置いてあった=灯台下暗しだったのか。有音はほんのわずかだけうなだれて額に手を当てる。


「こういう時って何とも言えない心境になっちゃいますよね、自分の間抜けさを呪ったり怒りを覚えたりって」

「有音ちゃん、肯定するわ。でも誰だって目ざとくない限り意外と気づかないものってね」

 真奈先輩になぐさめられちゃった。


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