アレンジ特訓 16回目 2
「有音ちゃん達は正月の数日間、実家でしょ? 風良君は私と一緒に学生アパートに帰る??」
「先輩方さえ良ければ奏の家へ行きませんか? すでに先輩達を連れて行くかもと話してありますし」
「ご心配なく。僕の家は歓迎ムードですし、客間もあります」
帰宅は札幌までの特別バスで。駅から近いらしい奏の実家に到着。寝支度をしている間に注目芸人のコントで笑ってその内消灯。
「朝には寝ぼけ眼なんて見られたくないでしょうし、こっちからリビングに行くと伝えてありますので」
奏の気遣いに特に私達は感謝。お客さんとしてここにきた以上、容姿を整えたい。
そして正月の午前中までゆっくりした私達。
元旦が終わる正午前には起きれたよ。 知っている人も多いと思うけど休日の名称は元日元旦が正しいからね? 身だしなみを整えてから台所にあいさつしに行くと、奏の母親から風良君と奏が一足早くリビングに向かったとの話を聞く。ここはいいからリビングで待っていてと言われた。響家全員集合(といっても父親とおじいさんに新年のあいさつをするだけだが)
「有音ちゃんは久しぶりだけど先輩方は初対面だね。今年もこいつの面倒をよろしくお願いするよ」
「君らも結構料理を作り続けてきたみたいだね。指先とか見ればわかるよ」
奏の祖父は数年前までは渡り鳥料理人と異名がついていた知る人ぞ知る一流料理人なので、風良先輩と真奈先輩は驚きと喜びを感じているみたいだ。
「そうそう、言っとくがもう引退の身な私に期待はせんでくれんか」
話している間に雑煮が運ばれて来る(甘い汁と玉ねぎ、鶏肉、つと<蒸しかまぼこの一種>などが雑煮の具材)
私達は正月中食っちゃ寝じゃなく、その他に正月のメジャー遊びまたは奏の祖父に料理中心の話を教えてもらっていたり。北国だけのマイナー遊びを楽しんだりもした。
「あっという間の数日間だったね君達。さて、残りの時間をもらえるかな?」
私達がそろそろ学園に戻るつもりな日、奏の祖父に何やらして欲しい事があると聞いて快諾する。
「それで用件は何でしょう?」
「君らに災害が起きた場合を想定しての震災食を作ってみてもらいたくての。やってみてくれるか?」
9月中に1回でも更新出来るかどうかといった所です。