アレンジ特訓 16回目 1
料理好きだったからこそこの学園に入学した(幼馴染の奏に影響されてというのも大きいかもしれない)幼馴染と違って料理の腕は人並み程度だったけど、学園での実習や真奈先輩との特訓でかなり実力が上がったと思う。学園生活9ヶ月で初の新年は明日だ。今日は奏と一緒に実家から真奈先輩と風良先輩の住む学生アパートにお邪魔していた。今回は風良の部屋に集合。
「先輩方、用事も済ませて準備して来ましたよ」
札幌の学生アパートから神社まで行く予定だったりする。でもまだ出かけるには早いと言われた。
「2人はもう実家で年越しそばとおせちを食べてきたのかしら?」
真奈先輩の質問にちょっとした驚きを感じた方々もいると思う。そう、北海道では大晦日から「おせち」を食す文化があるのだそう。
「君達もくつろいで笑い納めしよう、このテレビ番組を見ないと今年が終わらないってね」
「人間、笑っちゃいけないと条件付けられていても面白いものを見せられると我慢しきれませんよね。人の不幸は蜜の味要素もありますが」
面白いものは面白い。スナック菓子、クッキー、せんべいなど好きなものを頂いてまったりした時間を過ごしている内に今年も残り30分を切っていた。
「それじゃ神社に初詣に行きましょうか」
「北海道神宮ですか?」
一番有名どころを私が聞くと、風良先輩に違うんだよと教えられる。
「食の神様にも関係ある場所に行くつもりなんだ。千歳神社だよ」
行く場所を決めたので駅に向かう。駅からの所要時間は約40分といった所だろうか。到着時は同じ考えの人が多いみたいなので神様への挨拶は後にして屋台で軽食を取ろうと意見が一致した。北海道の冬はしっかり防寒装備しても寒いというのは誤魔化せない。そういう配慮もあるのかたい焼き、たこ焼き、焼きそばなどを熱々で提供する工夫をしてくれている。
最初の内は猫舌だと熱くて無理な位だが、北風に当たっている内に食べやすい温度に。奏がもらってきた甘酒と共に食べるのもなかなかのものだ。
「こうしている内に来た時より2割3割初詣客が少なくなっているし並びに行きましょうか」
正月の恒例行事をつつがなく終わらせ、解散するかどうか相談中。
千歳神社の境内で屋台を開いているのを見たことない?
たい焼き、たこ焼きなどを熱々で提供は難しい?
これらが矛盾点だと思った読者様方はそういうサービスが合ったら良いなという願望だと捉えていただきたいです。