アレンジ特訓 15回目 5
「真奈先輩、そういえば今は制服じゃないですよ」
「あら、いいじゃない。喜ばせてあげましょ」
構わず先に行ってしまう先輩。後で注目されるより真奈先輩と一緒に見られた方がマシかと諦める。
「今日はクリスマス料理をおすそ分けに来たのよ」
焼き鳥と蒸鶏、金平ごぼうや生キャベツを食べている最中の奏と風良先輩がびっくりして声を失ってるよ。その後で顔を少し赤面させているから可愛いいと思ってくれているかもしれないけどさ。
「有音、その服……」
「先輩見てわかるでしょ!? 雰囲気よ雰囲気」
軽く意地悪になっちゃったかなと先輩が言うので、私は勘弁してくださいとばかりに2人へ料理食べてねと言い残して部室に戻った。
有音達が戻った後の奏達
「クリスマス料理のおすそ分けも嬉しいけど、さっきの格好の方が嬉しかったんじゃないか奏くん」
それは事実なので言葉にならない。
「だけど男だからってあれをコスプレ衣装と考えて思い浮かべちゃダメだよ」
風良先輩の目論見はわかる。だけど、言われてしまった方が想像してしまうものだ。あぁ、思春期が憎いと思う。『プレゼントはわたし』ってやつ。嫌でもはかどってしまう妄想に翻弄される奏。
「ごめんごめん、君がそこまで純だと思わなかったんだ」
謝られても困る、この話を終わらせたかったら別の話にすればいいと風良先輩にお願いした。
「今のままだともらっただけになっちゃうね。彼女達に何かお返ししてあげようか」
得意分野の料理で返しても喜んではもらえるだろう。だけど、今日は作りすぎちゃったと言っていた。だったら喜んでもらえそうなプレゼントでも渡した方がいいかもと意見が一致。
だけど、何をあげたら喜んでもらえるのかというのが難題だ。
「う~ん、彼女達はあまり装飾品とか身につけないタイプだしねぇ」
そんなこんな色々考えて、喜んでもらえそうな小物とクリスマスカードでいいんじゃないかなと話がまとまった。お互い同学年の娘に渡そうと決めて買い物に行く。
今回少し短め。次話は1100文字超え(この作品の平均文字数850~900文字だったと思う)
どうも更新回数が減ってしまっていますね。話を追加しましたが、こういう展開は読者さん方に気に入ってもらえるかな?
出来るだけ更新努力します。
数日後にもう1話予約掲載