アレンジ特訓 4回目 1
本日の料理研究部の活動、さて何を作るんだろうな。真奈先輩に美味しい料理に一工夫加えて別な感じにするって方法を何度か見せてもらった。しかもそれはまるで違うおかずみたいになったみたいで楽しく思えるんだよね。
「今日は掃除担当の友達が急用で困っている感じだったから掃除当番の変更をしてあげたんだよね、遅くなっちゃった」
多分私がいつもより家庭科室に来るのが遅くなったからだと思うけど、3階から2階に降りる踊り場付近で心配が杞憂に終わったと安心したかのような真奈先輩の姿があった。
「お休みするとは聞いていなかったからどうしたのかなと思っちゃって。私は少し心配症なところがあるみたいで」
顔をうつむかせ気味の真奈先輩に「気にしてませんから」と私は少し微笑む事で先輩を安心させる。
「有音ちゃん、ちょっと良い?」
私と同級生というか同じクラスのえ~と……名前を何て言っていたんだっけ? 私が微妙は表情をしているのがバレちゃったからか、呼び止められた子に指摘されちゃった。
「もうっ、ひどいな~。そりゃ中学校で知り合ったばかりだから約1ヶ月くらいしか付き合いないけど。愛しの彼氏しか眼中にない?」
この子との会話を早く終わらせて部活に向かいますと私が真奈先輩に伝えると、準備して待っているからと言われてしまった。気を遣ってもらったようので恐縮してしまう。
「すいません、もう部活が始まる時間ですか? それなら有音ちゃんでからかうのは後日にしますけど」
「大丈夫よ。5分くらいで話が終えられるんでしょ?」
どちらかといえば、物怖じしない性格、最近は私の恋(?)の迷いの相談を受けてくれているこの子、確か植物関連の名前だったはずと思いだした。そうだ、草原芽生ちゃんだよ。
「ごめんね、芽生ちゃん。何か用事?」
「私の名前覚えているんじゃん、忘れたフリとか人が悪いなあ。あのね? テスト前だからノートを貸してくれない?」
「良いけど2・3日で返してよ? 復習に使うんだから」
私にお礼をして頭を下げていった芽生ちゃんが帰宅するようで何気なく窓の外を見るともう校庭まで来ていた。そういえばそろそろ中間テストか。8割・9割の自信はあるんだけどね。そうこう考えている内に目的地にたどり着いていた。




