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極道令嬢、異世界で華麗に仁義を通す 〜うさぎ公爵令嬢の裏社会マナー  作者: 春夜夢


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第15話:波乱の東部領と、騎士の覚悟

「……おい、空気の匂いが変わったな」


王国東部へと向かう馬車の窓から外を眺めながら、俺――エレノアはつぶやいた。

ローゼンバーグ家の華奢なドレスではなく、動きやすさを重視した活動的なマント付きのワンピースを身にまとっている。


セドリックは馬車の御者台からこちらを振り返り、灰色の瞳で静かにうなずいた。


「ああ。東部領は、ルキウス侯爵の息がかかった場所だ。我々がここへ来たことは、もう相手に伝わっているかもしれない」


「上等だ。ネズミどもが隠れてるなら、俺が表に引きずり出してやるよ」


俺が不敵に笑うと、セドリックは苦笑しつつも、手袋を締め直して周囲への警戒を強めた。ルキウス侯爵は第二王子派の主要な支援者であり、王国東部の利権を独占しようとしている男だ。


やがて馬車は、東部領の拠点である古都の入り口に差しかかった。

だが、門の前には、通常の検問とは違う異様な雰囲気を漂わせる私兵たちが待ち構えていた。


「アステリア騎士団長、セドリック! それ以上先に進むなら、ここで足止めさせてもらう」


私兵たちは一斉に剣を抜き、殺気を放ってきた。侯爵直属の部隊らしい、鍛え抜かれた動きだ。


俺は馬車からヒラリと飛び降りた。

華奢で儚い公爵令嬢の姿が地面に着地した瞬間、俺の纏う空気が一変する。かつて裏社会で数々の修羅場をくぐり抜けてきた若頭の眼光が、私兵たちを射抜いた。


「……身の程を知らねぇ奴らだな」


「な、なんだ、その威圧感は……! お嬢さん、引っ込んでろ!」


一人の私兵が剣を振りかげて突っ込んできた。

だが俺は、まったく動じることなく、相手の剣の軌道を読み切る。ステップを踏んで懐に潜り込み、相手の手首を鋭く打ち払うと同時に、背負い投げで地面に叩きつけた。


――ドスンッ!


「ぐはあっ……!?」


「いいか? 喧嘩ってのはな、武器の大きさや数だけの問題じゃねぇ。覚悟の差だ。我がアステリア卿の故郷と領地を荒らす奴に、仁義は通さねぇよ」


俺の凄まじい気迫と、可憐な姿からの容赦ない制裁に、残りの私兵たちは気圧されて一歩も動けなくなった。


その時だ。背後からセドリックが歩み寄り、俺の肩にそっと手を置いた。


「見事な制圧だ、エレノア。……だが、ここは私が引き受けよう。君は後ろに下がっていてくれ」


「馬鹿言え。俺の看板に泥を塗る奴は、俺自身がシメるって決めたはずだぜ」


俺たちは並び立ち、次なる敵に備えた。最強の騎士団長と、元ヤクザの若頭。二人のコンビネーションは、どんな敵をも圧倒する。


さあ、ルキウス侯爵の悪事の尻尾を掴むまで、あと一歩だ。

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