第7話 追放した側との再会、そして“ざまぁ”の瞬間
ギルドの扉を開けた瞬間、空気が変わった。
ざわ……ざわ……
視線が一斉に俺へ向く。
「レオンだ……!」
「ブラッドウルフの群れを殲滅した英雄……!」
「新人でBランクってマジかよ……!」
街の人々の視線は、
かつての“無能扱い”とはまるで違う。
アイリスが隣で微笑む。
「レオン。
あなたはもう、この街の“中心”よ」
胸の奥が温かくなる。
(……俺は、本当に変われたんだ)
◆
そのとき――
ギルドの奥から、怒鳴り声が響いた。
「ふざけるな!!
なんで俺たちが依頼を受けられないんだ!!」
聞き覚えのある声。
ガイルだ。
受付嬢が困ったように答える。
「ガイルさん……あなたたちの評価は急落しています。
最近の依頼失敗が続き、信用が……」
「レオンがいないからだろ!!
あいつを戻せば――」
その瞬間、ガイルの視線が俺を捉えた。
「レオン……!」
ギルド中が静まり返る。
ガイルは歯を食いしばり、俺へ歩み寄る。
「レオン……戻ってきてくれ。
お前がいないと、俺たちは……!」
俺は静かに言った。
「……俺はもう、お前たちの仲間じゃない」
ガイルの顔が歪む。
「頼む……!
俺たちを助けてくれ……!
お前がいないと、パーティが崩壊するんだ……!」
アイリスが一歩前に出る。
「あなたたちが捨てたのは、
この国で最も価値ある人よ」
ギルド中がざわつく。
「最強剣士アイリスがそこまで言うのか……」
「レオンって、そんなに……?」
ガイルは地面に膝をつき、頭を下げた。
「レオン……!
頼む……戻ってきてくれ……!」
その姿は、かつて俺を追放したときの傲慢さとはまるで違う。
俺は静かに言った。
「……俺を追放したのは、お前たちだ」
ガイルの肩が震える。
「すまなかった……!
本当に……すまなかった……!」
「謝罪は受け取るよ」
ガイルが顔を上げる。
「じゃあ……!」
「でも――」
俺ははっきりと言った。
「お前たちのところに戻る気は、一切ない」
ギルド中が息を呑む。
ガイルの顔が絶望に染まる。
「な……なんでだ……!
俺たちは仲間だっただろ……!」
「仲間なら、追放なんてしない」
ガイルは言葉を失う。
俺は続けた。
「俺には、俺を信じてくれる仲間がいる。
俺を必要としてくれる人がいる。
だから――」
アイリスが俺の隣に立つ。
「あなたたちの出番は、もう終わりよ」
ガイルは崩れ落ちた。
「レオォォン……!!
戻ってきてくれぇぇぇ!!」
だが、その叫びが届くことはなかった。
ギルドマスターが静かに告げる。
「ガイル。
お前たちのパーティは、本日をもって“解散”とする」
ガイルの目が見開かれる。
「な……!」
「レオンを追放した判断が、
お前たちの全てを狂わせた。
責任は取ってもらう」
ギルド中がざわつく。
「終わったな……」
「自業自得だろ……」
「レオンを追放したのが運の尽きだ」
ガイルは震える声で呟いた。
「……俺たちが捨てたのは、
本物の“英雄”だったのか……」
その言葉を最後に、
ガイルは完全に崩れ落ちた。
俺は静かに背を向けた。
「行こう、アイリス」
「ええ。
あなたの未来は、ここからよ」
こうして――
**追放した側への“ざまぁ”は、完全に終わった。**
だが、俺の物語はまだ続く。
次は、
“国最強”への道が始まる。




