第6話 新天地での成功と、俺の“英雄扱い”
ギルドに戻ると、すでに噂が広がっていた。
「レオンがブラッドウルフの群れを殲滅したらしいぞ!」
「上位種まで一撃ってマジか!?」
「新人でCランクなのに、Aランク超えじゃねぇか!」
ギルド中がざわつき、
俺とアイリスが姿を見せた瞬間――
「「「うおおおおおお!!!」」」
歓声が上がった。
(……なんだこれ)
受付嬢が駆け寄ってくる。
「レオン様! 怪我はありませんか!?
ギルドマスターがすぐにお会いしたいと!」
アイリスが小さく微笑む。
「レオン。
あなたはもう“特別な存在”よ」
胸の奥が熱くなる。
◆
ギルドマスター室。
ギルドマスターは俺を見るなり、深く頭を下げた。
「レオン……!
街を救ってくれて、本当にありがとう!」
「い、いや……俺はただ――」
「ただ、じゃない!
Aランクのガイルのパーティが壊滅した群れを、
お前は“たった二人”で殲滅したんだぞ!」
アイリスが静かに言う。
「正確には、レオン一人で、ね」
ギルドマスターの目がさらに見開かれる。
「……本当に、規格外だな」
俺は照れくさくて視線を逸らした。
(こんなふうに褒められる日が来るなんて……)
ギルドマスターは机の引き出しから一枚のカードを取り出した。
「レオン。
お前を“Bランク”に昇格させる」
「Bランク……!?」
ギルド中が騒然となる。
「新人でCランクスタートだけでも異例なのに……」
「一週間も経たずにBランク!?」
「いや、実力を考えれば妥当だろ……」
アイリスが俺の肩に手を置く。
「おめでとう、レオン。
あなたの力が、正式に認められたわ」
その言葉が、胸に深く染み込んだ。
(……俺はもう、無能じゃない)
◆
ギルドを出ると、
街の人々が俺たちを取り囲んだ。
「あなたがレオン様!?」
「街道を救ってくれてありがとう!」
「子どもたちが無事に帰ってきたのはあなたのおかげです!」
次々と感謝の声が飛んでくる。
(……こんなふうに感謝されるなんて)
アイリスが隣で微笑む。
「レオン。
あなたはもう、この街の“英雄”よ」
「英雄なんて……俺はただ――」
「あなたは、誰よりも強くて、優しい。
だから、みんながあなたを認めるの」
その言葉に、胸が熱くなる。
(……俺は、変われたんだ)
◆
その頃――
ギルドの片隅で、
ガイルたち元パーティは肩を落としていた。
「レオンが……Bランク……?」
「俺たちが追放したレオンが……?」
「なんでだよ……なんであいつが……!」
ガイルは拳を震わせながら呟いた。
「……俺たちが捨てたのは、
“国最強の才能”だったのか……」
その絶望は、もう誰にも止められない。
◆
夜。
アイリスと並んで街を歩く。
「レオン。
これからどうしたい?」
「どう、って……」
「あなたの力なら、もっと上を目指せる。
Sランクも、王国騎士団も、どこへでも行ける」
俺は少し考えてから答えた。
「……まずは、この街を守りたい。
俺を認めてくれた場所だから」
アイリスが嬉しそうに微笑む。
「いいわね。
私も一緒にいる」
その言葉に、心が温かくなる。
(……俺はもう、一人じゃない)
こうして俺は、
“新しい世界”で確かな一歩を踏み出した。
――そして、元パーティとの“決着”の時は、
確実に近づいていた。




