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追放された無能職の俺、実は世界唯一の隠しスキル持ちでした  作者: 双鶴


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第5話 追放した側の没落と、ギルドの“評価爆上がり”

ガイルたちを置き去りにして森を出ると、

ギルド前にはすでに人だかりができていた。


「アイリス様だ!」

「隣の男……新人のくせにCランクの……!」


ざわめきが広がる中、

受付嬢が駆け寄ってきた。


「レ、レオン様! 緊急依頼が……!」


「緊急依頼?」


「はい! ブラッドウルフの群れが街道に出現し、

 複数の冒険者が負傷しています!」


(……ガイルたちの件か)


アイリスが俺を見る。


「レオン。

 あなたなら、できるわ」


その一言で、胸の奥が熱くなる。


「任せてくれ」


ギルドの奥から、ギルドマスターまで飛び出してきた。


「お前がレオンか!

 新人でCランクに認定された“規格外”だと聞いたぞ!」


「……まあ、そうらしいです」


「なら頼む!

 Aランクのガイルのパーティが壊滅寸前なんだ!」


ギルド中がざわつく。


「Aランクが……?」

「ガイルたちって、あの有名パーティだろ?」

「そんな連中が壊滅って……」


俺は静かに言った。


「……わかりました。

 ただし――」


ギルドマスターが息を呑む。


「ただし?」


「俺はもう、ガイルたちの仲間じゃありません。

 助けるかどうかは、俺が決めます」


ギルド中が静まり返る。


アイリスが微笑む。


「レオン。

 あなたはもう、誰にも利用されないわ」


ギルドマスターは深く頭を下げた。


「……頼む。

 街のために、力を貸してくれ」


その言葉に、俺は頷いた。


「行こう、アイリス」


「ええ」


俺たちはギルドを後にした。



森の入口に戻ると、

ガイルたちの仲間が血まみれで倒れていた。


「レ、レオン……!

 ガイルが……まだ奥に……!」


「そうか」


俺は淡々と答えた。


(……ここまで酷いとはな)


アイリスが周囲を見渡す。


「レオン。

 ブラッドウルフの気配がまだ残ってるわ」


「わかってる。

 全部、片付ける」


そのとき――


ガサッ!


茂みから、ブラッドウルフの“さらに巨大な個体”が姿を現した。


「……上位種ね。

 普通の冒険者じゃ勝てないわ」


アイリスが剣を構える。


だが俺は、前へ出た。


「大丈夫。

 俺がやる」


上位種が咆哮し、飛びかかってくる。


――だが。


(遅い)


俺は拳を握り、魔力を流し込む。


「《真価解放》――全開」


――ドガァァァン!!


一撃。

それだけで、上位種は地面にめり込み、動かなくなった。


アイリスが目を見開く。


「……レオン。

 本当に、規格外ね」


俺は肩の力を抜き、森の奥へ歩く。


(ガイル……お前は今、何を思ってる?)


そして――


木の根元で、ガイルが震えていた。


「レ、レオン……!

 助けてくれ……!」


その声は、かつて俺を追放したときの傲慢さとはまるで違う。


俺は静かに言った。


「……助けるかどうかは、俺が決める」


ガイルの顔が絶望に染まる。


「レオン……!

 頼む……!」


アイリスが俺の横に立つ。


「レオン。

 あなたはもう、彼らのために生きる必要はないわ」


俺はガイルを見下ろし、言った。


「俺を追放したのは、お前たちだ。

 その結果が、今のこれだ」


ガイルは地面に額を擦りつける。


「すまなかった……!

 本当に……すまなかった……!」


俺は背を向けた。


「……帰るぞ、アイリス」


「ええ」


ガイルの叫びが森に響く。


「レオォォン!!

 戻ってきてくれぇぇぇ!!」


だが、その声が届くことはなかった。


――追放した側の没落は、もう止まらない。


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