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神銃騎士シルヴァの冒険譚〜とりあえず激カワ王女姉妹の住む国を救ってみる〜  作者: しののめかいき
第一章 パーレスト王国編
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ep.14 対亜獣防衛戦線・下

————首都アルケー、【南の門】。



 レインの報告を受けたエレノアは、彼女と共にこの【南の門】へやって来た。現場の状況は芳しく無く、王妃であるレナ・クラークが今まさに指揮命令系統を改めている状況。



 そして二人の視界に広がる草原にはすでに数を数える余裕も無いほどの亜獣が集まって来ており、着実に前線を上げて来ていた。



「……これが《災厄》?」


「だと良いわね。亜獣だけなら叔父様がいるだけで解決する程度よ。でもお母様はきっと最悪の状況を想定しているの」


「《幻獣》……だっけ」



 エレノアとレインは冷静にこの状況を飲み込もうとしているが、二人とも指先が震えている。彼女らはすでに一度や二度と亜獣によって命を落としかけた経験があるのだ。トラウマになっていてもおかしくはない。



「————エレノア様! エイレイン様!」


「「リベルタス!」」



 今回の件を最も早く知った王室護衛隊のリベルタスが二人の元へ駆け寄った。顔は見えなくてもその声色から、「なぜこんな場所に」と言いたげな表情が窺える。



「一国の王女が緊急事態に何をされているのですか!? 早く城内へお戻り下さい!」


「緊急事態だからよ、リベルタス。あなたの応援に来たの」


「そうだよ! 一番危険な門なのにあなた一人だけに防衛を任せるわけにはいかないもん!」



 エレノアとレインは、リベルタスの反対を押し切りながら腰に掛けた神銃を掲げる。



「ここにはこの国の全ての神銃が揃ってるし、シルヴァもいれば誰もやられずに《災厄》なんて倒しちゃうよ!」


「ええ。計画性は皆無だけどエレノアの言うことは間違ってないわ」


「ちょ、ちょっと〜!」



 三人は笑い合った。それが束の間の休息に過ぎなかったことを、王妃の号令と共に思い出させる。



「————これより、対亜獣防衛戦線の作戦内容を伝える!」



 【南の門】の防衛部隊は以下のメンバーと装備品だ。


 【東の門】部隊長/ガルド・ヴァレンツァ、大剣。

 【東の門】クラリス・デュラン、剣/盾/神銃。

 【東の門】セリオ・アルディナート、槍。

 【南の門】リベルタス・ヴァレンティア、剣/神銃。

 【南の門】ガレス・ロウ、剣/盾。

 【南の門】ディノ・マークス、槍/盾。

 【西の門】ミリア・ノルン、大盾/神銃。

 【西の門】ティナ・ヴェルド、大盾。

 【西の門】サーラ・ミュレイ、大盾。


 また、【東の門】と【西の門】は以下の残された担当部隊が防衛任務に就く。


 【東の門】部隊長/フィン・グレイヴ、剣/盾。

 【東の門】ノア・ヴェルク、短刀/盾。


 【西の門】部隊長/エリサ・フェルナ、大盾。

 【西の門】ローナ・カレナ、大盾。


 そして遊撃部隊は王妃レナ・クラークの指揮の下以下の四人に任命される。


 神銃騎士/ゼファリオン、刀/神銃。

 神銃技士/エイレイン・クラーク、剣/神銃。

 神銃技士/エレノア・クラーク、神銃/盾。

 神銃技士/シルヴァ、剣/神銃。



「各配属先の最重要事項は亜獣の侵入阻止。時間を稼ぎ、遊撃隊及び神銃所持者による討伐を目的とした配置です。また、衛兵や使用人らは補給部隊を担当。門の内側にて負傷者の搬送や情報伝達を主として行動して下さい」



 王妃の号令により、この【南の門】に現在行動可能な全ての王室護衛隊が揃っている。彼らは彼女の言葉を聞き、それぞれの役割を確認し始めた。



「この配置の根拠はありますでしょうか?」



 藍色の短髪の男が王妃に質問をした。食事会の時にシルヴァの前で、副隊長であるガルドが次から次へと酒を飲もうとするところを阻止していた青年、セリオだ。



「申し訳ないけれど根拠はありません。勝敗は神のみぞ知る、というのが現状です」



 芯の通った声で言葉を返した王妃に対し、その他の護衛隊のメンバーはただ沈黙を続けている。



「先程も言った通り、門の中で待機している衛兵たちの情報を元に私たちは多角的に対応する必要があります。この山場を越えて、終わったら浴びるほどのお酒を飲みましょう!」



 どうやら最後の言葉が護衛隊に最も心を打ったようで、女性陣を除くメンバーは揃いも揃って雄叫びを上げ始める。



「よっしゃあああああやるぜェ! クラリス、セリオ、付いてこいッ!」



 開戦の合図は結果的に副隊長であるガルドが先陣を切ったことで成されてしまった。やれやれと言わんばかりに溜め息を吐きながら、二人は付いていくこととなる。



「相っ変わらずあの筋肉ダルマは……」


「いいじゃないですか。ほら、副隊長にいっぱい亜獣が惹きつけられていますよ」



 セリオが走りながら少し遠くを指差すと、すでに巨大な大剣を振り回して亜獣と交戦するガルドの姿があった。



 ガルドは乱雑に両手で持った大剣を亜獣の心臓部に叩きつけ、次々と亜獣を蹴散らしていく。



 それを更に遠くから眺めていたその他のメンバーは彼の行動に唖然としていた。



「————ねぇティナ……あれは一体どういう状況なの?」



 金髪でボブヘアーの少女、サーラは困惑した表情で部隊内最年少の十六歳の少女ティナに問いかけた。



「わわわ、わかんないですよ……私たちの目的って、ここで亜獣を待ち構えること、ですよね……?」



 自身の身長並みの大きさの盾を地面に突き刺したまま、前髪で目元を隠した銀色の長髪が特徴的なティナは答えた。



「違う違う、そうじゃなくて……いや、合ってるんだけどさ。副隊長って神銃使ってないよね?」



 二人の視線の先で交戦を続けるガルドは、サーラの言う通り神銃を使わずに大剣で亜獣を討伐している。今回の作戦の際に王妃がクラリスに渡した深緑の神銃が使われた様子もない。



「————私、噂で聞いたことがあるんだけどさ。副隊長は自身の筋力を大剣に乗せながら亜獣の心臓部に思いっきり叩きつけて、その衝撃だけで核を潰して倒してるんだって」



 ずっと無言だった三人目の少女が口を開いた。本来サーラとティナと同じ【西の門】を担当しており、部隊長を務めているミリア・ノルンだ。



 残されたエリサとローナを含め五人合わせて通称 《シールド・メイデン》。二十歳もいかない少女たちで構成され、その特徴として部隊のメンバー全員が大盾を装備している。生き残ることに特化しており、主に王室護衛隊内の情報伝達役としても機能されている。



「じゃあ副隊長って筋肉だけで戦ってるってコト!? さすが副隊長サマだわ……」


「す、すごいですね……私たちにはそんな芸当できる気がしません」



 感心しているような、あるいは溜め息を吐くような様子でガルドたちを眺めている三人の後ろから、エイレインとエレノアが声を上げる。



「ぼーっとしてる時間は終わりよ! 亜獣たちが副隊長を避けてこっちに来る!」


「みんな、戦闘開始だよ! 陣形を崩さずに一体ずつ————ってアレ!?」



 すでに亜獣たちはガルドを無視しながらこの【南の門】を目指して侵攻を進め、エレノアたちの目と鼻の先にまでやってきていた。



 しかし、急接近してきた三体の亜獣————《モノ・ウルフ》は、彼女らがまるで見えていないかのように大きく跳躍し頭上を飛び越えられてしまったのだ。



「————マズい、やはり亜獣の目的はこの町か!」



 王妃が歯軋りをするように言葉を発した。王室護衛隊を無視して首都内への侵入を試みている様子を見るに、彼らにはまるで知性が備わっているように感じられる。



「————エレノア!」


「わかってる! けど追えない!」



 エレノアが即座に腰のホルダーから橙色の神銃を取り出し発砲するが、時すでに遅し。【南の門】ではなく外壁を飛び越えて首都内への侵入を許してしまうこととなった。



「中に戻らなきゃ!」


「————ダメよ! この作戦にはエレノアの力は必須条件、この場からの離脱は許されません」



 取りこぼした敵を倒すべく門の内側へ行こうとするエレノアを、すぐに王妃が阻止する。



「どうして!? 町の人の命が優先なんでしょ!?」



 王妃の腕に遮られたエレノアは自身の母親に吠えた。



「もちろん最優先事項よ。でもその結果もし《幻獣》が現れたら、もっと状況は悪くなってしまう」



 彼女の想定する《災厄》は、町一つ簡単に滅ぼしてしまうという《幻獣》の出現を指している。《幻獣》の力を持ったとされる亜獣が出現し始めたその時期に亜獣たちの侵攻が起きるのは、何か因果関係があるのではないかと王妃は危惧しているのだ。



「じゃあどうすれば……」



 すでに他の亜獣もエレノアたちの目前にまで迫ってきている。更に、出現元と見られる【悪魔の森】付近では次々と新たな《モノ・ウルフ》が姿を現す。



 これでは確かにこの場を離れるのは返って状況を悪くしかねない、と察したエレノアはその場で待機を余儀なくされる。



「————なら俺たちが向かおう! 俺とディノがいれば十人力だぜ!」


「おいガレス……。馬鹿野郎、せめて百人力と言えよ、なんでちょっと自信無さげなんだよ」



 エレノアの代わりに門の内側へ向かうことを決めた二名の男らが声を上げた。



 元々【南の門】を担当しており、基本的に会話をすることが無いリベルタスの下でやんちゃをしながら任務をこなす四名の男たち。その様子から通称 《サイレント・フォー》と呼ばれている部隊の二人だ。



 残りの二人は、シルヴァとエレノアが達成した《特別依頼》で過去に負傷しており、現在は療養中とのこと。



「ガレス、ディノ。頼むわ」


「おう! 王妃の為ならなんだってやるぜ!」


「……お前の本命は王女様だろうが、スケスケなんだよお前の考えが」



 王妃はガレスとディノの二人に外壁から侵入した亜獣の撃退を依頼した。ガレスがボケてそれをディノがツッコむ様子を、エレノアは苦笑いで眺めている。



 ガレスは右目を閉じてウィンクをエレノアに向けたと思えば、すぐに【南の門】からディノを連れて首都内へと後退していった。



「————《シールド・メイデン》は大盾を門の前へ! エレノアとレインはここで射程範囲内の亜獣を排除しながら防衛線を維持するわよ!」


「「了解!!」」



 エイレインも自身の瑠璃色の神銃を構えて、次々と亜獣の足元を凍らせていく。身動きが取れなくなったところを、次は亜獣の口元へ向けて氷結の弾丸を撃ち込み始める。



 彼女の持つ神銃は《水属性》、《汚染系》の力で長時間対象物を氷漬けにすることが可能だ。その特性を活かし、亜獣の口元を氷漬けにすると急激に周囲の空気の温度が低下し、肺にダメージを与え呼吸困難にさせている。



 エレノアの《爆発系》の神銃と共に、草原に群がっていた亜獣は次々と数を減らしていく。衛兵からの報告も未だ無いことから、他の門に異常は起こっていないと推察できるだろう。



「————しまった!」



 彼女たちよりもずっと森に近いところから男の声が響き渡る。ガルドとクラリスと共に戦場のど真ん中へ突撃したセリオだ。



「馬鹿ッ、陣形を崩すな!」


「チィッ、数が多すぎるッ!」



 クラリスがセリオに叫ぶが、ガルドの言う通りこちらはまだまだ亜獣の数が多く捌ききれていない。すでにこの戦いが始まって数十分は経過しており、その間ずっと各々の武器を駆使して戦い続けているのだから当然疲労感に襲われているはずだ。



 深緑の神銃に与えられた属性は《風属性》、《刺突系》の力。下手にセリオの方へ銃身を向ければ、神銃の中で最も速度の速い旋風によって作られた槍が彼を巻き込んでしまう。



 体制は大きく崩れていく。セリオは前線向きの装備ではなく、中距離を維持してのヒットアンドアウェイを得意としている。当然、ほぼゼロ距離に迫ってくる亜獣の対処の難易度は他のメンバーよりも高いだろう。



「くっそ……」


「セリオ!!」



 クラリスが再び叫ぶ。しかしすでにセリオの足首には《モノ・ウルフ》の鋭い牙が深く突き刺さっていた。



 ガルドは同時に五体の亜獣を相手にしていた為目を逸らすこともできず、クラリスは咄嗟にセリオに噛みついた亜鴨へ神銃を使うが、次から次へとやってくる群れへの対処が追いつかない。



「————ダメ、ここからじゃ狙えない」



 神銃を構え冷静にそう判断したエイレインは、何とか防衛線を上げることができないか思考する。



「————問題ないわ。リベルタス、神銃を!」



 王妃の隣で護衛を続けていたリベルタスが神銃を天に掲げる。王妃は万が一に備え、首都内外全ての視察に回っているゼファリオンを呼ぶべく事前に打ち合わせをしていたのだ。



 打ち上げられた弾丸は炎を纏い、空に新たな星を穿ちながら信号を送る。ゼファリオンの技術があればガルドたちを救出しながら亜獣の数を減らせるだろう。



————キュォオオオン……!!



 信号弾の音ではない。リベルタスからずっと遠く、ガルドたちよりもずっと遠く。【悪魔の森】の更に奥から、その不協和音は鳴り響き続けている。



「この音は……?」



 エレノアは自身の耳に届くその音を舌で味わうようにただ聴き続けた。獣の声のような、人の声のようないくつもの音色が何重にも重なって聞こえてくる。



「ねえ、叔父様……流石に遅くない?」



 リベルタスが信号銃を放って数刻。風の神銃を使いこなすゼファリオンはそれだけの時間があれば首都の最北端から最南端まで移動ができる。



 しかしエイレインたちが彼の到着を待ってもやってくることはない。



「————ぐぁああああっ!!」


「セリオッ! くそっ、副隊長!」


「ぐっ……いつになったらコイツらッ……!!」



 多くの亜獣を惹きつけていたガルドたちに限界が訪れる。足を負傷したセリオは膝をつき、その隙を突くように《モノ・ウルフ》は容赦なく彼の肩に牙を差し込んでいく。



「————だめ」


「……エレノア?」



 それを見ていたエレノアもまた、我慢の限界が訪れていた。エイレインが腰に掛けている両刃の剣を鞘ごと奪い取り、真っ先にセリオの方へ駆け出す。



「————だめえええええッ!!」



 慣れない手つきで剣を引き抜き、神銃を前方の亜獣目掛けて発砲する。セリオたちが視界に入るや否や剣を振り抜いて救出に向かおうとするが、彼女の足が突然止まった。



「エレノアッ!?」



 エイレインがエレノアへ手を伸ばすようにその光景を見つめる。亜獣は一種類だけではなかった。エレノアの足に纏わりつく一体のスライムが、戦場の真ん中で彼女をその場に拘束し続ける。



 当然それを他の亜獣が無視することはない。ガルドたち含め、彼女にも《モノ・ウルフ》が襲いかかった。



「やめて……お願い。じゃなくて、助けなきゃ……」



 震える手で神銃を構えるエイレインだったが、声色に覇気は無い。妹を失う恐怖に襲われて身動きが取れなくなっている。



「————待って……ティナ、あれって」



 後方で待機を命令された《シールド・メイデン》の三人が空を見上げる。そこに、リベルタスが放った信号弾が意味を成していなかったことに今更ながら彼女たちは気付く。



「王妃様! 空が……いや、この場所が霧に覆われています!!」



 サーラが指差した異変に対して、状況に気付いた《シールド・メイデン》部隊長のミリアはすぐに王妃に報告した。



「くそっ、まさかこの窮地にか!」



 王妃レナ・クラークの想定していた最悪の事態。それが現実となっていくのを目の当たりにする。



————戦場に雨が降り注ぎ始める。空の怒りが顕現し、雷となって大地を揺らす。濃く白い霧が首都アルケーとこの草原を分断し、外界と隔離された空間を作り出していた。



「————今度は何っ!?」



 王妃が立て続けに起きる状況の変化に目を見開いた。【悪魔の森】の奥深く、眠りについていた《災厄》がその姿を現す。



【————白煙と共に現れし獣、神の加護を以てしても傷つけることは叶わぬ。彼らもまた、神の加護に護られし星の守護者なのだ】



 雷と霧の中から現れたのは、獣と言うには異形の姿。ボスクラスのスライムがより大きく成長ような、パーレスト国の城よりも高く伸ばした身体を煌めかせている。



 体内は透けているが七色に光る管が何本も走っており、スライムよりも更に粘性と弾性を増した縦長の生物がそこにはいた。



「雷が!」



 ミリアの声を聞いた者たちは頭上を確認する。霧雨の中降り注ぐ雷は、まるで何かに操られているかのようにエレノアたちへ向かっていく。



「————《シールド・メイデン》は大盾を上空に構えて、他の盾持ちも必ず防御を! それ以外は後退しつつ大盾に隠れて!」



 ミリア、サーラ、ティナの三名は大盾の内側から伸縮型の柄を伸ばし、傘を差すようにしてそれぞれ構えた。



 深い霧による信号弾の無効化、雨による足元及び視界不良。突如として出現した《幻獣》と共に、立て続けに王室護衛隊を襲い続ける亜獣の群れと雷が彼らの足を止めている。



 盾を駆使して雷を弾くエレノア。だが、その無防備な横腹に《モノ・ウルフ》が近づいていく。



「ダメ……動けない……私じゃ、勇者様みたいにはなれない……ッ」



 エイレインは必死に神銃を構えて放つが、エレノアを襲う亜獣には一発も当たらなかった。自身の力不足で妹を助けることができない事実を、彼女は涙ながらに噛み締めることしかできない。



「ここまで、か……」



 エレノアは天を仰ぐ。上空に構えた盾を下ろし、全てを諦めたかのように目を閉じた。



「お願い、間に合って————」



 王妃は最後の可能性に賭けて祈りを捧げた。まだ門の内側には二人の王室護衛隊が残っている。希望を祈りに乗せて、奇跡を願う。



————その瞬間、突如戦場の真ん中で大規模な爆風が起きる。ガルドやエレノアたちを襲っていた亜獣は一瞬にして消え去り、絶え間なく続く爆発が次々と森の近くの亜獣を吹き飛ばしていった。



 深い霧と暴風の中心に現れた人影をエレノアは見つめる。長身と伸びきった襟足を靡かせて、目の前の男————シルヴァが小さく口を開く。



「————すまない。待たせたな」

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