表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

第三回の動画配信を見て


するとどうだ。 第三回の配信があったぞ!


なななんと第三回は例の場所でのロケ動画だった。

またしても通販のセーラー服でチャーリーが映る。

チャーリー「やあ、みんな元気か? 第二回の動画でちょっと煽ったら、馬鹿が何匹か釣れたヨ。こっちはパシリが四人だけかと思って来た奴、使う積りはないけどこっちの陣営はもっといるから。

この公園の周りを囲んで一般客近づけないように警護してるよ。警察が来たら煩いからさっさとやるけど。そこの10人グループ。お前らからかな?」

するとカメラがそいつらを映した。いたいた。鉄パイプや木刀持ったやつもいる。中央にいる奴なんて180cmはあるし、筋肉の塊みたいな奴だ。おまけにメリケンサックを嵌めている。頭はモヒカンにしてる。

チャーリー「ハンドル名がジュクの鷹とかいうのはそこのでかいのか? どうする?タイマンか? それともまとめて来るか?どっちでもいいぞ」

鷹「俺一人でぶちのめした後、こいつらがお前を可愛がってやぶーーーっ」

モヒカンが言い終わらないうちに、セーラー服のままのチャーリーがたった三歩で跳んで接近し腹パンをかました!

一歩がおおきいだろ。5mは離れていたぞ。

そして体重が二倍以上もある大男が体をくの字に曲げてそのまま倒れた。

えっえっえっ?

そんなの無理だろ? もしかしてサクラ?

物理的に無理だって!

ウエイトが半分以下のチビが大男を殴ったって、蚊が止まるようなパンチだろうがっ?

その後、チャーリーはモヒカンの仲間を煽る。

チャーリー「おまえらもやるか? 得物使っても良いぞ。来いよ金魚の糞」

すると物も言わずに鉄パイプ、バット、木刀を持った連中がチャーリーに襲い掛かった。

あれ?目の錯覚かな? 確かにチャーリーの頭や体に得物がヒットしてるみたいだけど、全然それを気にしないでチャーリー、ノックアウトし続けてるよ。しかも軽ーいパンチで。

いや、パンチじゃないぞ。よく見れば掌底だ。

不思議なのはほんのチョンと小突いただけで相手の屈強な男たちが糸の切れたマリオネットみたいに倒れてしまうことだ。

これがサクラの演技だったら一流のスタントマン並の技術だろっ。

気が付いたら10人の人間を10秒以内で倒してしまってる。もうほんの一瞬だ。

チャーリー「あとはもういないのか? ほらそこのあんちゃんたちは?」

「「「いや、俺たちは違う」」」

あらあら、みんなビビっちゃって尻込みしてるじゃないか。

と思ったらなんだ?特攻服着た奴らが闖入してきたぞ。

しかもそれぞれが何かを構えてチャーリーを取り囲む。

チャーリー「あれれれ、何もって来たの、君たち?」

男たちは20人くらいいて、みんな真っ白な長い特攻服に『夜露死苦』って背中に書いている。正面は国旗を無断に使ってる。

おいおい日本国民を勝手に名乗るんじゃない。

「あっそうか、お前だな? チャーリーのことを胸がないとか足が割りばしだとか散々デスってた馬鹿は?

えーとなんて言ったっけ? そうださすらいのゴロマキだ。だっさいハンドルだなぁ」

ゴロマキ「ふん、さえずってろ。水とか余ったペンキかけたふりしやがって、あの動画がほんとなら、コールタールスプレーと熊スプレーならどうだ?」

それを聞いてチャーリーは慌てた様子だ。さすがにこれは編集がきかないからかな?

チャーリー「おーーいパシリの子分ども、もっと遠くに離れろ。巻き添え食ったらやばいぞー」

ゴロマキ「お前は良いのかよ。真っ黒になって、風呂に入ってもとれないぞ」

チャーリー「その二種類のスプレーを使って、自分がかけられることを考えろ。危ないぞ。かけたら、チャーリーは反射することができるんだぞ。良いのか?警告したからな。やめとけよ。ひどい目にあうぞ」

ゴロマキ「ひどい目にあうのはお前だ。やれっ!!」

うわあ、ゴロマキの合図で人垣が狭まってチャーリーの姿が見えなくなったぞ。

「うぎゃぁぁぁ」「ぐわぁぁぁぁ」

急に周りのゴロマキの仲間たちが悲鳴をあげた。

何故ならみんな体の前面真っ黒に染まっているし、熊スプレーも浴びたらしく目も鼻も大変なことになっているらしい。殆ど立っていられる人間はいない。

リーダーのゴロマキもきっと地面にのたうち回ってると思うが、なにしろ顔も真っ黒だから見分けがつかない。

ひとりチャーリーだけが全然汚れていなくてスマホを片手にどこかと喋っている。

するとゴロマキらしい男が立ち上がってチャーリーに抱き着いて行った。

ゴロマキ「くそーーっ、抱き着いてお前も汚してやるぅぅ!」

これにはノールックで出された片手でゴロマキを突き飛ばす。スマホを持ってない手でちょんと胸の辺りを押しただけなんだが、5mは飛んで行った。

これがわからない。絶対物理的に不可能だと思うのだ。

体重が倍以上もある男を突き飛ばすことは絶対にできない。しかもただ突っ立ったままの姿勢で。

するとチャーリーは背中から地面に落ちて倒れているゴロマキに向かって珍しく怒鳴った。

チャーリー「馬鹿野郎!今お前たちの為に119番に電話をかけてんだぞ。熊スプレーかかってタダで済む訳ないだろ。お前たちのために警告したのに!!」

そして周りにいる人間に声をかけた。

チャーリー「撤収だ。救急車も来るけど、警察に付近の住民が通報したらしい。ばっくれるぞぉぉ」

動画はそこで終わっていた。

けれどコメ欄には沢山の人間がカキコしてた。

「これどこかの映画会社が特撮したものですか?」

「どうしてコールタールや熊のスプレーが反射できたんですか?」

「体重の重い方が突き飛ばされるというのはおかしいです。説明してください」

などなど……だ。

それに対してめんどくさいのか、全部良いねとハートマークで済ませている。

そして説明欄に「たくさんのコメありがとう。返事めんどいから次の動画で答えるね。答えられるぶんだけね」

と書き加えてあった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ