敵が味方
78話完成しました
俺は血液を全身に纏わせ簡単には貫けない程の強固な硬さにしていく
「そして結構時間的にギリギリだけど、焔コウモリをカエデ達に向かわせないと...」
焔を付与したコウモリ3匹をカエデ達に向かわせた
その瞬間、
「疾風連撃!」
ヴカは高速のスピードを維持したままリクに向かい連撃を放った
「ラスト!死にやがれ!」
刺突攻撃のラストを放った瞬間、切っ先が何かにぶつかった音が聞こえた
「あ?連撃を食らって何でピンピンしてやがる!」
「何でって言われても、軽い衝撃が来るだけでダメージとしてはHPは減ってないし...」
リクが喋っている瞬間にレイピアを抜き、後ろに下がろうとしたヴカだったが幾ら力を込めてもレイピアが抜けることがなかった
「ちょ、な、何で抜けねえんだよ!」
「そんなの鎧を修復してレイピアを挟んだんだから簡単には抜けないでしょ」
レイピアの持ち手から手を離して、直ぐさま裏拳でリクの顔面を狙うヴカだったが流の全自動防御でリクに当たる前に防がれてしまった
「っ、おい!今回も俺の武器を奪うのかよ!」
「今回も?あぁこの猛毒のレイピアの事か って、雪血に関しては奪うというより決闘の報酬だっただろ!」
「俺からしてみたら猛毒レイピアも雪血も奪われたって思っているんだよ!」
突然雪に顔を埋めて、雪を殴り涙が出ているヴカ
「(なんだろう、惨めに思えてきた)ま、まぁ雪血の事は仕方ないとしても猛毒のレイピアは返すって元々奪う気は無かったし な、何かごめん」
「返してくれるのか...」
猛毒レイピアを抜こうと持ち手の部分に手を掛けようとした時、ヴカの視線が雪山の急斜面に向かっていた
「俺の後ろに何かいるの・・・っ、」
喋りながら振り返ろうと身体を後ろに向けようとした瞬間、何か堅い物が鎧に激突した
《流》の全自動防御でも完全に衝撃を殺す事が出来ず、リクは派手に吹き飛び雪壁に背中から突っ込んだ
その衝撃で猛毒のレイピアは鎧から抜けて、運良くヴカの近くに落ちた
「レイピア...(今のアイツなら俺でも殺れる...だが)」
「っって、一体何がぶつかったんだ」
俺は雪壁に背中を強打し、痛みを堪えながら身体を起こそうしたが、思うように身体が動かない
Lv33 ステータスポイント 1700
スキルポイント 1020
HP135/150 (スタン)
「スタン?身体が動かないのはこれが原因かよ(それにしても全鎧)」
スタンが解除されるまで残り20秒弱、動けない事が分かった俺は視線を激突した何かに向けた
「ま、マジか...あんな大きい鹿が俺に激突したのかよ
逆にHPがこれしか減ってないってのは奇跡だろ(まぁ焔の再生でHPは回復するけど)」
俺が目にしたのは、2メートル近くの大きさの立派な角をコチラに向けて今にでも突進して来そうな鹿だった
「この状態の俺にまた突進してくるのかよ さすがにカエデ達は来ないよな(この状況を説明できる手段が無いし)」
身体を動かせるか試していたその時、ヴカが傍までやってきた
「っ、この状況でアンタの相手もしないといけないのかよ」
「あぁ、そうだな お前にとってこの状況は最悪だろう だがこの状況から切り抜けるには...」
「俺を殺って雪血を取り返してトンズラってか?」
「それもいいかもな...」
ヴカはそう言うとレイピアをリクに向けて突き刺した
・・・・・・・
「っ、焔コウモリが近くに居ても寒い事には変わりにゃいッスね」
カリンは吹雪の中、焔を付与されたコウモリと一緒に探索をしていた
獣形態で素早く探索を終え、カリンは自身が探索したエリアに次の階層への階段を見つけたこともあり、リク達にメールをして逸早く最初の場所に戻っていた
「にゃしても、もうそろそろ焔の効果が切れるんじゃにゃいッスかね・・・ん?あにょコウモリ達は...」
ふと目をやるとコウモリ3匹が飛んでいた そして1匹のコウモリが自身の元までやって来た
「新しい焔コウモリ結構ギリギリに来たッスね」
自身の元までやって来たコウモリは突如として飛んできた道をゆっくりと戻っていた
「ちょ、ちょっと、ここめっちゃ寒いんスから勝手に行かないで欲しいッス!」
カリンは急斜面ギリギリで急停止し、そのまま空中に留まっていたコウモリに獣形態で追いつき暖を取った
「はぁぁぁ、暖かいッス〜 にゃしても、にゃんでこんにゃ急斜面ギリギリまで移動したスか...ん?にゃんか下にデカい鹿のモンスターがいるッスね〜 近づきたくにゃいスね」
デカい鹿モンスターを目にして、後退りしたカリンは視界の端にめちゃくちゃ見覚えのある顔が映った
「・・・・・・リク君!にゃんでいるんスか!にゃんな事よりピンチじゃにゃいッスか!」
鹿に吹き飛ばされ、雪壁に衝突し動けないリクをカリンは発見した
しかし次の瞬間、ヴカがリクに向かってレイピアを突き刺した場面を目撃した
「にゃ!リク君ににゃにするんスか!」
カリンはリクが刺された現場を見て直ぐさま、急斜面を駆け下った
そしてスピードが最高潮になったその瞬間、勢いよく跳躍をしヴカに向かって爪攻撃を仕掛けようとした
だが、その攻撃がヴカに当たることは無かった
その理由は、血液の盾に阻まれたからだ
「っ、カリン!何で攻撃を...」
「リク君!にゃんで止めたんスか!」
「実は...」
俺は今までの事を手短にカリンに伝えた
そして、ヴカに刺されなかった事も...
・・・・・・・
ヴカはリクに向かってレイピアを向け、顔面の真横ギリギリの雪壁を突き刺した
「今回だけはレイピアを返した事に免じて殺すのは辞めてやるよ だが次会った時は初っ端から全力で攻撃するから覚えておけ」
「あぁ、てっきりこの状況だから俺を殺って雪血を奪って直ぐに逃げると思ったが、武器は返しておくもんだな」
「お前の事は気に食わねぇが、この状況を解決す...」
皮肉を言うリクに対しこの状況の打開策を提案しようとしたその時、カリンが無警戒のヴカの背中を攻撃しようとするのが見えた
「にゃ!リク君ににゃにするんスか!」
「っ、カリン!何で攻撃を...」
俺はスタン状態の中、血液創造 盾を空中に創り出し、カリンの爪攻撃を防いだ
・・・・・・・
カリンが見ていた状況の真実を伝え終えた、リクはスタンが終わり動けるようになっていた
「にゃんだ、てっきり無防備にゃリク君を刺したって思ったッスよ」
「まぁ、俺も殺られると思いましたし... でもまさかカリンが血相変えて急斜面を駆け下るとは...」
「心配するに決まっているスよ!」
「おい、そこの女とリク話しはそれくらいにしてこの状況を解決...」
「そこの女は無いッス!酷いッス!ってどっかで会ったような?」
「あぁよく覚えてるぜ、カリンが俺にかかと落としを食らわせやがった奴ってことをな」
「んん〜?あ!リク君を襲おうとした男ッス!って何で私の名前知っているんスか!」
カリンはヴカをじっくり見つめ記憶の片隅にあるヴカの姿を思い出した
「リクとの会話の中で聞こえたんだよ!つーかそんな事はどうでもいいんだよ!っ、突進してくるアイツをどうにかしねぇとって話しをしてぇんだよ!って!もう突進してきてんじゃねぇか!逃げ場ねぇのに!」
ヴカは突進してくる鹿を指差して大いに焦っている
「何か雰囲気さっきと違うッスね」
「ほんとほんと、さっきまで戦っていた奴と全くの別人に見えますよ」
「ってリク君、ネオさんの口癖が出てるッスよ」
「え、出てましたか?無意識に出てたのかもしれないですね」
「まぁ一緒にいれば口癖は移るもんスよ、多分」
「だーかーら、オメェらあの鹿が目に入らねぇのか!呑気に会話しやがって、普通もっと焦るだろうが!」
「あ、ヴカ怒った」
「そッスね、焦りながらもめっちゃ怒ってるッス でもヴカが言う通り、リク君あの鹿が突進して来るッスけど平気ッスか?」
「スタンも消えましたし突進を止めるくらい簡単ですよ 《血液創造鎖》 《血液操作》《鎖箱》」
ヴカとの戦闘で砕け散った血液の破片から鎖を創り出して、血液操作で操作し真四角の箱に創り変えた
「突進を止める事は出来たが、鹿が思いの外接近していたからか結構ギリギリに鎖箱があるぞ これじゃあ雪壁から一歩でも出てその時もしも鹿が鎖箱を壊したら殺られるぞ!」
「突進をもう少し早く伝えてくれたらギリギリじゃにゃかったと思うッスよ」
「俺は直ぐに伝えたっての!オメェらが呑気に会話してからだろうが!どうすんだよ脱出できなくなったじゃねぇか!」
状況が最悪に近づいているからか、さっきよりヴカは焦っている
「煩いッスね、焦るのは分かるスけど脱出できる策を思いついていないなら黙っていて欲しいッス」
「ギリギリに無かったら疾風で勢いよく脱出してるってのに!」
「リク君、雪壁は爪でも破壊できそうッスからサポートをお願いしたいッス」
「了解了解、斬撃を出したら血液で防ぎますよ」
「俺は無視かよ...(今度会ったら覚えておけ)」
騒がしいヴカをリクとカリンは完璧に無視して、行動を移す
「じゃあやるッスよ!《風斬爪》」
「《血液創造血屋根》」
カリンの爪から放たれた斬撃は簡単に雪壁を切り裂き、雪壁は真下にいるリク達に落下してきた
どうだったでしょうか?
温かいコメントお待ちしております




