その頃
55話
俺達は簡易的な夜ご飯を迷宮内で食べ終わり、
明日の三階層の階段の発見と今後の迷宮探索に備えて
早めに床に就くことになった
「それじゃあ俺は、あっちの壁で寝るので...」
「一緒に寝ないんスか!」
「ん、寝る寝る」
「ちょっと2人ともそんな事言ったらリク君が困るわよねぇ、リク君もそう思うわよね!」
「え、そうですね 俺も今日は色々と疲れたので1人で気兼ねない状態で寝たいですね」
「リクリクが言うなら分かった」
「確かに今日は疲れたッスよね〜」
俺はカエデ達とは反対側の壁に行き『雪血』を何時でも手に取れるように壁に立てかけ
片膝立てて眠りにつく
「リク君寝るの早いッスね」
「早い早い」
「それにしても、武器を傍に置くなんて...」
「リク君らしいッス!」
「本当にそうね」
「明日の為にもう寝る寝る」
ネオもすぐ横になり眠りにつく
「ネオも寝てしまったわね」
「お姉ちゃんも寝るッスか?」
「いえ、武器の手入れや新たな戦闘方法を考えたいからまだ起きているつもりよ」
「『瞬光』の副マスターで十分強いのに、何で新たな戦闘方法を考えるんスか?」
「それは...」
カエデの視線はとある方向に向いている
「ふ〜ん、そういう事ッスか」
「な、何がかしら...」
「ズバリ、リク君の戦闘スタイルを真似したい為に
考えるんスね!」
「え...まぁ、そうね」
「違うんスか?」
「あ、合ってるわよ(い、言えないリク君に守られたから今度は守ってみたいなんて...)」
(凄いスピードで目が泳いでいるッス...)
カエデはそのまま武器の手入れを始めていく
「あ、そういえば大岩の罠のせいで聞きそびれたッスけど、この迷宮に出てくるモンスターの共通点って一体なんだったんスか? 」
「まずデススコルピオンは置いておいて、スケルトンとリビングアーマーの共通点って何か分かる?」
「うーん、2体の共通点... 死それにアンデッドしか
思いつかないッス」
「大体その通りよ デススコルピオンの名前に死があるしね まぁデススコルピオンは憶測なんだけどね」
「って、今後アンデッドや死の名前が付くモンスターが出てくるって事スか?」
「そうなるのかもって事よ それよりも三階層の階段を見つけることが重要よ」
「そうッスね...」
カリンとカエデも会話をしながら徐々に眠くなっていき床に就いた
一方その頃
「はぁ、僕もリク君に着いていけば良かった」
「サエル何言ってんの?」
「あぁサエル急にどうした?」
「いや、こんな状況になると分かっていたらサナ君も連れてきたのにって思ってね」
「サナの奴がいてもいなくても状況は変わらなかっただろうぜ」
「そうそう、囲まれることは仕方ないって」
囲まれる
何に囲まれたのか、そしてこの状況は何故起きたのか
それは20分前に遡る
20分前
「なぁサエル、俺達夜ご飯の準備するのに何で森に
入るんだ?」
「初日でモンスターの沢山倒して『風鈴』と食材を
集めようと思ってね 特に食材は沢山あっても困らない
からね」
サエル・ヒリカ・ガイ この3人は1時間程森林に入り
動物系のモンスターの倒し肉を集めていた
そう後は拠点に戻るだけであった
「ねぇサエル、ずっと聞こうと思っていたんだけど
拠点ってどっちだっけ?」
「「え?」」
「ヒリカ、君に帰り道を任せていたんだけど...」
「え!そうだったっけ? ごめん忘れてた あはは」
「笑い事じゃねぇよ!こんな森林の中心部で帰り道を忘れたら、右も左も分からなくなるだろうが!」
「だから謝ってるじゃん!」
「まぁ何とかなるよ マップで現在位置と拠点の位置を確認して戻ればいいんだしさ」
「確かにサエルの言う通りだな」
「そうそう、何とかなると思っていたんだよね」
サエル達3人はマップを確認し自分達の位置と拠点の
位置を確認し拠点まで歩いていく
「そういえば、リク君達ってどうしたの?今20時なのに帰ってきてないよ?」
「カエデさんからのメッセージで迷宮を攻略している
から攻略が終わるまで拠点には戻らないって」
「ふーん、なるほどね」
「なぁサエル...」
「ガイどうかしたのか?」
「複数の殺気の気配を感じねぇか?」
「うん、さっきから僕も感じているよ 僕達3人合わせての『風鈴』40個を狙っているPKかもね」
このイベントについて詳しく説明していなかったが
『風鈴』はモンスターを倒しても絶対に入手出来るとは限らない
『風鈴』はモンスターを倒すのと『迷宮』を攻略で
入手することが出来るが、大量に獲得出来るのは断然
『迷宮』である
「まぁ例え『風鈴』を奪う為に僕達をPKしてもリク君達の迷宮攻略で40個以上獲得出来ると思うから、大丈夫だと思うけどね」
「いや、PKされたらデメリットしかないし、あとの
イベント日数でステータスダウンは面倒だが?」
「もちろんPKはされたくないからPK達を倒すつもりだけど今僕が言ったのは万が一の時の事だよ」
「なるほどな...」
「ねぇねぇ、さっきから2人とも小声で何話してんの?」
「実は...」
サエルは殺気の気配を感じ、PKプレイヤーの可能性をヒリカにも話した
「えぇ、危険じゃん!どうにかしないと!」
「「静かに!」」
「2人の声の方がうるさいよ...」
「あれは、瞬光ギルド サエル達か!」
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