カリンの力
35話
朝方
俺は息苦しさを感じて、目が覚めてしまった
(まさかまたネオさんが、隣にいるんじゃ...)
そう考えた俺はすぐさま寝袋から出て
テント内を確かめる
しかし、テントには俺しか居なかった...
「うわぁ、たかが息苦しさ程度で前のことを思い出して確認するのは普通に恥ずかしい...」
息苦しいのは、朝になって砂漠が熱くなったのが
原因だと思うのに
そんな事を直ぐに思いつかないで、
ネオさんの事を真っ先に思うなんて...
MOFで初めて出会って、
ピンチの時に助けたり逆に助けられたりして
時には共にピンチを乗り越えたりして
現実でも隣人という関係になったのは、
もちろん驚いたけど...
「いやいやいや、無い無い」
俺は
ネオさんの事を好きになった 考えを速攻否定した
「リクリク何か無くなった?」
「ふぇ!?」
俺はネオさんの声に驚き思わず素っ頓狂な声を出して
しまった
「いえ、俺の勘違いだったみたいで心配しなくても
大丈夫です」
素っ頓狂な声の事をネオさんき考えさせないように、
俺は冷静に返事を返した
「(ふぇ ってリクリク可愛い)ん、そう」
「ネオさんとリク君朝飯の準備できたッスよ〜
って、2人とも何ソワソワしてるんッスか?」
「なんでもない(ない)!」
「2人とも本当に変ッス...
さっさと朝飯食って出発するッスよ」
俺達3人は
昨日の夜ご飯の残り物を食べながら今日の流れを
話していく
「まず今日はサティ砂漠の半分まで乗り越える予定ッスモンスターと戦闘する際に、時間がかかりそうなら
モンスターの動きを止めて逃げるのを優先するッス」
「何で逃げるのかを聞いても?」
「砂漠での戦闘は思った以上に、体力を消耗して
それに騒ぎを聞いて他のモンスターと連続で戦闘する
場合も考慮すると、動きを封じて逃げた方がいいと
思うんス」
「なるほど
戦闘時の振動で地中にいるモンスターが
襲ってくる可能性がありますもんね」
「そうなんッス!」
「カリンがいるから、奇襲には対応出来ると思う
私もモンスターを氷魔術で封じる」
ネオさんは、俺とカリンが話している間に
人数分の水筒に水魔術の水を入れていきながら
会話に参加している
「じゃあ、連続での戦闘時や時間がかかる場合に限り
モンスターを凍らせたりして動きを封じ
逃げるでいいッスか?」
「了解了解」
「確かにそれが現実的な砂漠の乗り越え方ですね
俺もその案に賛成です」
「戦闘のフォーメーションを考えようと思うッスけど私はリク君の戦闘をきちんと見た事無いので
リク君的には、前衛・中衛・後衛どれが得意ッスか?」
俺は、リボルバーや血液創造製の武器に加えて
雪血を使った戦い方だけど
これを踏まえて俺は答える
「前衛と中衛をどっちもできる オールラウンダー寄りになりますかね 多分...」
「なるほど了解ッス
それなら、前衛が私 中衛はリク君 後衛はネオさん
で、状況によって前衛を2人にする感じでの
フォーメーションで問題無いッスか?」
「ん、分かった」
「了解カリン」
「今からテントをすぐバラす、終わったら出発出発」
ネオさんは風魔術を使用し、ペグなどを回収し
インベントリにキャンプ用具を仕舞った
「よし、じゃあ出発ッス!」
《全鎧》
「これで、全鎧が砕かれない限り
日光を気にしなくてもいいな」
出発した直後は何も問題は起きなかった
しかし、
こまめに水分補給を摂りながら砂漠を歩き続けること
2時間が経った時だった
「止まるッス
何が地中を駆け抜けてこちらに向かってくるッス」
「了解地中警戒する」
その瞬間、カリンが地中の何かに喰われたのが視えた
しかしその視えたものは、スキル《未来予知》で視えた少し先の未来である
俺はそれに気づきカリンを突き飛ばす
「危ない!」
「痛いッスよ リク君...」
カリンを突き飛ばした瞬間、地中からワームが飛び出し俺は喰われた
「く、喰われたッス!」
「カリン!ワームの動きを少し止めて、その間に
風魔術放つ!」
「分かったッス」
「獣形態 爪・ 足 解放」
爪と足が徐々に猫のものに変わっていく
「耳と鼻を解放したら強化されるだけッスけど、
この姿の私は止められにゃいッスよ」
ものすごいスピードで駆け抜け
鋭い爪で硬い皮膚の同じ場所を攻撃していく
「ネオさん、あの場所に風魔術を当ててくださいッス同じ場所に攻撃した事で他の場所よりは硬くにゃく
魔術も通るはずッス」
「ん、分かった」
世界よ斬り裂く力を与えよ そしてこの速度に驚愕しろ 風の弾丸 風の砲弾 敵を貫く威力を上げよ
この攻撃は音速を超えあとには静寂をもたらす
《風狙撃刃》
風狙撃刃を放とうとしたその時、
ワームの動きが急に止まりバラバラに切り刻まれていく
「ふぅ、もう少し遅かったら酸で溶けてた」
「リクリク...」
「リク君 大丈夫にゃんッスか?
(ワームが昨日のサイコロステーキみたいに
斬られにゃってるッス)」
にゃん?あれ、カリンの姿少し変わった?
「カリンその姿は?」
カリンは獣形態を解除していく
「あ、この姿は獣人限定のスキルッス」
「なるほど似合ってましたよ」
「そんな褒めてもにゃにも出ないッスよ〜」
「リクリク無事なら良かった
でも今日中に砂漠の半分まで行かないといけないから歩きながら話そう?」
「そうッスね、
今の振動で他のモンスターが来る可能性もあるッス」
「分かりました、先に進みましょうか」
35話どうだったでしょうか?
感想お待ちしております
にゃってる=ちゃってる です 分かりにくくてすみません